白い兎の行く先は9

「僕……が、魔法少女……?」

思わず変わった自分の姿を見渡した。

ふわふわとしたドレスを身にまとった自分。

長い髪はふわふわとしていて、まるで理想のお姫様の姿。

そんな要舞ことリリーの姿にメリルが不満そうに頬を膨らませてリリーをみる。

「ちょっと、リリーちゃん!口調も女の子らしくしないと駄目だよォ!メリル達は可愛い可愛い魔法少女なんだから!」

ぷんぷんとメリルが頬をふくらませた。

「え、あ、そうなんだね…え、と…そ、そう、なの、ね?」

メリルの言葉に戸惑いつつも言い直す。

これでいいのかなとじ、とメリルを見つめる。

そんなリリーの姿によく出来ました☆と嬉しそうにメリルが笑った。

よかったとリリーが安堵する。

そして己の姿を見渡した。

「なんか、なれないね……その、スカートは……」

すーすーすると照れくさそうに頬を赤らめる。

「そーかなー?似合ってて可愛いよ☆」

自信持って!とメリルがリリーへと抱き着いた。

嬉しいのか照れくさそうにリリーが笑う。

「あ、ありがとう……」

小さな声で呟く。

「どういたしまして!これからよろしくねリリーちゃん☆」

くすくすとメリルが笑う。すりすり、とメリルはリリーの頬へと己の頬をすり寄せた。

「うん、……じゃなかった。ええ、よろしくね、メリル」

リリーはメリルを優しく抱きしめ返す。

これから君と幸せになれますように。

そう、強く願った。

夏の生暖かい風が二人を包み込むように吹き抜ける。

ミーンミーンと蝉の声だけがこだましていた。

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