秘密のドーリーちゃん3

温室へと着けばメリルが椅子に座り紅茶を飲んでいた。

「あら☆」

こちらに気がついたのかメリルが標の方へと顔を向ける。

嬉しそうに手を振った。

「こんにちは☆幸せになった標くん?」

その言葉に標は顔を顰める。

「メリルさんの差し金ですか……?」

この間のリメの行動は……

思わず標が呟いた。

メリルの方へと近寄れば標は彼女を見下げる。

「あは☆気づいちゃった?でもね、大丈夫。

キミは魔法少女だよ」

その言葉に標は首傾げる。

何を言っているのか分からなかった。

変身道具も無くなってしまったと言うのに。

そんな標を横目にメリルがくすくすと笑う。

そしてティーカップをソーサーに置き、席から立てば標の両頬へと手を添えた。

標の顔をメリルの方へと近づける。

「ふふふ、そんな顔しなくても大丈夫!だって、キミは幸せになって進化したんだから☆」

魔法少女としてね、と標へと笑いかけた。

標から思わず声が零れる。

「ど、いうことですか……?」

戸惑う標の頬をむにむに、と揉めばメリルが嬉しそうに笑った。

「そうだよ!標くんは魔法少女として強くなったの☆」

おめでとう、とメリルがにこり、と笑いかけた。

理解できないのか、標はまだ固まったままメリルの赤い瞳を見つめる。


雨が降り始めた。


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