ハートのエースはジョーカーは4
三年生達が居なくなり、一年生とメリルだけが残された温室は雨の音だけが木霊していた。
メリルがパン、と手をひとつ叩く。
「さて、アナタ達にはこの本の中に入ってもらおうかしら!大丈夫、いつも通りドリームイーターを倒すだけだから☆」
安心して行ってきて欲しいな、とにこにこと笑った。
「大丈夫ですかメリルさん、僕らだけで……」
心配そうにメリルの方をシモンが見る。
「大丈夫だよ!だって、最近の君たちは凄いよ!あっという間にドリームイーターを倒しちゃうんだもん☆」
だからいけるよね?とメリルが圧をかける。
「……シモン、ユアイケル、シモンツヨイ、ワタシ、シッテル」
ユアがシモンの腕へと己の腕を絡める。
「そうですよ、シモンくんは強いです。だから安心してください。僕達だけで行きましょう」
ユキが反対側のシモンの腕へと腕を絡めた。
「リメも、リメもシモンお姉ちゃん強いのわかるよ!だからね、安心して?」
前からぎゅむ、とシモンを抱き締める。照れ臭そうにシモンが笑った。
「……わかったよ」
頷きながら胸に手を当てる。目を閉じてゆっくりと深呼吸すればぎゅ、と拳を握った。
「気合い、入りました」
よし、行くぞ、とみんなの方をシモンは向く。
四人の気持ちは一緒だった。
「はぁい!じゃあ開くね☆」
メリルが本を開く。
不思議な国へと誘われるようにゆっくりと周囲がが黒く染っていく。
彼らの身体が闇へと包まれた。
「行ってらっしゃい~☆」
メリルが彼女たちに向かって手を振る。
ゆっくりと意識が遠のいた。
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