流れ星は夢をみるか?13

ふと、目が覚めると寮へと向かう途中。商店街をぬけたポストの横にあるベンチに座っていた。

あれ、何をしていたんだっけ?

ゆうきが首を傾げる。

確か図書館に居たはず、だった。

あ、そうだ、星の本を読みふけてたいたんだった。

その後、確かに、寮に帰っている途中で眠くなって…ベンチに座り込んでうたた寝していたんだったかな。

だからここにいるのか。

納得すればベンチから立ち上がる。

早く帰らないとルームメイトが心配してしまう。

急いで寮へと向かった。

商店街をぬけたならそれほど遠くはない。

ゆうきは道の角を左へと曲がる。

見えてきた赤レンガの造りの建物。

ここが、ゆうき達の住む寮だった。

昔は、どこかの団体の社員寮だったと聞いたことがあるかもしれない。

寮のロックを開けて中へと入る。靴を脱げば下駄箱に突っ込んだ。

ドタドタ、と足音を立てて階段を登れば、ポケットから鍵を取り出して勢いよく扉を開けた。

「おっ、帰ってきたんだな」

ベッドに座っていた一人の少年が立ち上がる。

おかえり、と他のルームメイト達が勉強をしているのか、背を向けたまま空いた方の手をひらひらと振った。

先程までベッドに座っていたルームメイトがゆうきの方へと来る。

「おかえり、ゆうき」

その言葉に嬉しそうにゆうきが微笑んだ。

「ただいま帰りました、ひょうくん」

標と呼ばれた少年が嬉しそうに笑顔でゆうきに手を差し出した。

思わずその手を取る。

なぜだか分からないけど、こんなことが前にもあった気がする。

そう、懐かしく感じた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る