流れ星は夢をみるか?12

図書館でシモンと別れた。今から先輩魔法少女に報告をしに行くと先に出ていくシモンをゆうきは見送る。

気をつけてね、とゆうきは小さく手を振った。

今日は本当に長い一日だった。

ぐい、と背伸びをすれば図書館の天井を見上げる。

彼女は己と同じ学校と言っていた。

だからきっと彼女は男の子だ。

ここは男子高校生。だから、女子生徒は居ないはず。

同級生だったらいいな、なんて期待する。

「また、会えますように」

空に昇る一番星へとお祈りした。

きっと、いつか会えるよね。

突然、図書館の電気が消えた。空間が薄暗くなる。

「それは無いわ」

背後から小さくて可愛らしい、鈴のような声が聞こえた。

思わず幽霊かと思って肩を大きく跳ねさせる。

すぐさま後ろを振り向くと、緑と青い違う色の瞳と目が合う。薄い緑のような、水色のような、なんとも言い難い淡い色の髪。その髪は上でハート型のお団子に一部まとめられており、ハートの形の花弁が下ろされた髪に散らされていた。付け襟であろうソレは、クリーム色にハートの模様がはいっている。その下のシャツは緑。服は襟と同じクリー色で、コルセット部分が黄色くなっていた。腰に緑色のリボンが巻かれていて、彼女のその周りには、先程のドリームイーターのデジタル版と言っても納得出来る羽の生えたカメラが飛び回っていた。

同時に強烈な眠気へと誘われた。

ゆうきはその場へとぱたり、と倒れ込む。

「ごめんなさいね」

小柄な少女の姿が視界にうつる。

シモンのように、魔法少女だと悟る。

己の前に少女がしゃがみ込んだ。

ゆっくりと彼女の手が伸びてきた。

目の前が真っ暗になる。

何も考えられなくなった。

「さっきのこと、覚えてもらっていたら困るのよ」

暗闇の中、そんな声だけが聞こえた気がした。

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