第123話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(41)
「・・・そ、そのカッコウは・・・」
とだけ言うと、いきなり鼻血を出し、その場に固まってしまった!
あれあれ?
ここは狂喜の表情じゃないのか?
今度はこちらが慌てる。
「そなた、固まっている場合ではないぞ! これは、この時代の『彼氏を出迎えるときのカノジョの正装』であろう? なぜ喜ばないのだ?」
そう、これはちゃんと、若年層向けのメディアから吸収した知識を基にしているのだ。
しかも、『男のロマン』だとも書いてあったのだからな。
・・・とはいえ、下着すら着けない姿にエプロンだけ纏うとは・・・さすがの妾も恥ずかしかったが、この性にオープンな時代へ合わせていかないと。
「それ、たぶん、『裸エプロン』って・・・やつだよな?」
ティッシュを鼻に詰め、横に視線を逸らしながら、ハチが聞いてくる
そのとおりだ。
ピンクのかわいいエプロンが頑張っているものの、妾の自慢のボディーをかろうじて隠しているにすぎないという際どい状態だ。
さすがに真横から見られてしまうと、横乳全開どころか・・・乳首とか見えてしまうのではないだろうか。
ちょっと想像するだけで、顔が熱くなってしまう。
うう、やはり・・・めっちゃ恥ずかしい。
「しかし・・・彼氏お出迎えのための正装なのだから・・・」
「いやいやいや! ちょっとまて、そんな激エロな格好が? ホ、ホントかよ・・・」
「メディアでちゃんと確認したぞ」
「わ、わかった・・・お願いだから、まず普通の部屋着に着替えてきてくれないか? とにかく頼む!」
「でも・・・」
妾はまだ不服だ。
だって! せっかく恥ずかしいのを頑張ったというのに・・・。
それに! セクメトのやつからまたぎゃんぎゃん噛みつかれるリスクも負ったというのに・・・。
あれ?
そういえばセクメトの奴がいないな。
「頼む! ただでさえおまえは超美人なのに・・・そんな扇情的なカッコウされちゃったら・・・俺は理性を保つ自信が無い・・・」
仕方がない・・・ハチのやつ、あんな真面目に頼むなんて。
でも・・・『超美人』だって。
聞いた? 『超美人』だって!
ふふふ、しかたないなー。
そんなセリフ、面と向かって言われちゃったら・・・カノジョという立場上うれしいに決まってるでしょ!
しょーがない、普通の部屋着に着替えてあげよう!
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