第116話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(34)

「だって、そなたは彼氏ではないか・・・彼氏が美しいと褒めてくれれば・・・女はそれでいいのだ」と、クレオはこちらをじっとみている。

 頬を赤くして。


 これ・・・演技だよな。

 おしかけ彼女っていっても、偽物彼女だし。

 だが俺のそんな心中を、見抜くかのように、


「演技ではないぞ? 偽物カノジョでもない・・・宣言したであろう、妾はそなたのカノジョなのだからな」


 完璧になりきっている・・・んだよな?

 たしかに、ここまでなりきりを見せつけられてしまうと、もはや本物彼女にしか見えないよ・・・。

 俺は、彼女のセリフにアテられてぼんやりしちまう・・・。


 これがファラオの実力なのか・・・恐るべし、『おしかけ彼女』!


 ・・・しかし、セクメトが買い出しに行ってくれている間でよかったぜ。

 あの『好き好きクレオパトラ』病のあいつがここにいたら、またえらく面倒な事態になっていたに違いないからな!

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