第101話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(19)
「ハチ・・・そのうろたえよう・・・そなたまさか」
「え?」
「まさか、カノジョとやらがいないのか?」
「・・・ああ」
うう、我ながら、消え入りそうな声で情けないのう。
若干のうしろめたさがあって、彼女を直視出来なかったが・・・こちらを凝視している視線を感じる。
「そうなのか・・・カノジョとは結婚以前の特定の交際相手のことだったな。『男たる者の甲斐性を表すバロメータ』だとどこかに書いてあった」
「・・・傷を抉らなくていいから」
「・・・えーと・・・そなた、もしかして・・・いままでも、交際経験が全くないのか?」
おい!
少しはフォローしようと思わないのか?
だが俺の心の叫びも届かず、気まずい間が・・・。
・・・・
クレオはすっと立ち上がって、そのまま隣にやってきて・・・俺の手をそっと握る。
ん?
「ハチ? いまいくつだ?」
なんだよ、唐突に。
「・・・おまえのイッコ下の十九歳だよ」
「妾と同じような年でせっかくこの時代にいるのに、生涯交際経験ナシとはな・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます