第100話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(18)

「ハチ・・・そなた・・・せっかく現代人なのに、恋愛に興味が無いとは」

「あ、ああ」

「・・・もったいない。ネットの記事とか見ていると、告白エピソードや浮気の発覚とか・・・片想いとか・・・それこそドキドキイベントが満載ではないか。読んでいる妾のほうが恥ずかしいくらい・・・なのだが・・・正直・・・羨ましいぞ?」

「そ、そうか」

 さすがの妾でも、『浮気』とか『修羅場』とかは、違う意味でのドキドキだと思うが。

「妾もこういう恋をしてみたい・・・」

「あ・・・え・・・と・・・。そうだ、今晩のメニューだけど!」


 ん? なぜハチは話を逸らす?

 妾のセンサーが敏感に反応する。


「なぜ、話題を変えようとするのだ? なにか都合が悪い事でも?」


「や、そんなことは・・・」

「変だぞ。そなたらしくもなく、さっきからうろたえているではないか、どうしたのだ」

 ◇◇

 ・・・しかし正直、嫌な話題になっちまった。

 なんたって、俺は『彼女イナイ歴イコール年齢』なのだ。彼女の存在どころか、交際の経験だってない。

 もちろん、恋愛に興味が無いわけじゃない。

 とはいえ、正直出会いも無ければ、どうしていいかもわからん。

 そもそもこの歳でいまだに『彼女ナシ』ってさ・・・なんか・・・俺の性格か何かに問題があるみたいで・・・うーん、やっぱ、恋愛がらみの話題は苦手だ。


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