第75話 第三章 『護衛するのだぞ? 同居生活は当然であろう!』(34)

 だが、そんなふたりを出し抜くように、今度は一人の黒フードの装束の下から筒のようなものが覗き、閃光を発した。


 閃光は、瞬時に避けたセクメトナーメンの脇を通過して、傍のクルマを易々と切り裂き、あたりに派手に火花と焼けた匂いを巻き散らす!


 クレオは、咄嗟に俺の身体を抱き寄せ、そのまま地面に伏せる。

 あ、いい匂い。


 そ、それに!

 背中にあたるこの柔らかな感触は・・・!


 って、そんなバアイじゃない!


 俺たちの上の空間を閃光が駆け抜け、民家の壁を盛大に焼き払った!


「クレオ! 横!」

 セクメトがまたひとり、黒フードの肉体を真っ二つにを切り裂いて叫ぶ。

 クレオは詠唱を唱え、次の瞬間、筒を持つ黒フードの真上に瞬間移動!

 そのまま、四つに切り裂いた。

 一秒かかっただろうか。


 セクメトナーメンは横から襲ってきた閃光を、自らの聖槍の先端部分でブロック!

 その閃光を放った黒フードは、次の瞬間セクメトナーメンの背後から飛び出したクレオによって、一瞬にして四つの肉塊と化している。

 ブロックしたセクメトナーメンも、そのまま聖槍を振って別の黒フードを切り裂く。


 黒フードどもは、自ら不可視化したり、レーザー(?)を投入したりしたのだが、戦闘力の差は圧倒的だった。


 いきなり訪れた、静寂。

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