第60話 第三章 『護衛するのだぞ? 同居生活は当然であろう!』(19)

 そんなことを思っていると再度ショッピングモールに到着したので、さっそく日用品の調達にかかる。

 ハチに聞いたところによると、

「俺のアパートには基本的に一人前のグッズしかない・・・俺は女の子と同棲したことも無いから仕方がない・・・食器・タオル・布団とか諸々、クレオたちのぶんも調達しないとな」

 なぜかこちらから聞いてもいないのに、彼の説明には謎の言い訳が混じっている。

 同棲ってなんのことだ?

 ・・・それに一人で住んでいれば、日用品が一人分しかないのは当たり前だろうに。

 だが、そんな些細な疑問を吹き飛ばすように、視界に何やら楽し気な商品たちが。

 なんだこれは!

 食器にしても、かわいい造形や色使いで、どれもこれも素敵ではないか。

 めっちゃ、はしゃいでしまうが・・・自分でも仕方がないと思う。

 元の時代では土器が中心で形は画一的、色使いも無い。たしかにガラス用品もあるにはあったが、超稀少であった・・・。

 あ、いつも妾より冷静なセクメトのやつも、いろいろグッズを手にしてはしゃいでいるではないか!

 ふたりとも、すっかり調子に乗ってしまっている。

 妾は、セクメトの目を盗み(いや、どうせ後でバレるのだが)、ハチとお揃いのマグをカゴに入れてしまう。

 いや・・・別に彼が伴侶というわけではないけれど!


 ・・・なんとなく。

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