第53話 第三章 『護衛するのだぞ? 同居生活は当然であろう!』(12)
そ、そういえば昔古代の衣服も調べたことがあったが・・・たしかエジプトは長い間『シェンティ』といういわゆる腰布を巻いただけだったな!
だがプトレマイオス朝の頃ともなると、ギリシャ文化の影響を受けて、衣服もギリシャ調になったはず。
ギリシャ時代の貴婦人は、上着と下着の区別ってあんまり無かったんだよな・・・。
つまり?
どちらにしても、布を腰に巻いただけか、ぜんぜん穿いていないか・・・どっちかじゃん!
いやいや、そんなもん、どっちもおんなじだろ!
・・・スカートが上がっていってしまうと・・・丸見えだ・・・。
うわー、昨日強風が吹かなくてよかった・・・。
クレオは拾った後、何事も無かったかのように腰かけて食事を再開するが、俺の視線に気付き、
「どうしたのだ? 妾がどうかしたか?」
セクメトナーメンも、俺の顔色が変わったのに気付き、怪訝そうな視線を向けてくる。
いや、だって・・・しかし・・・下着どうなっているんですか?・・・なんて聞けるわけねーだろ!
めっちゃ気になるけど!
「本当にどうしたんだ? 一人で悶えて? なにか悪いモノでも食べてしまったのか?」
俺がこんなしょーもないことで悩んでいるとは知らずに、ふたりして覗き込むように聞いてくる。
俺はMAXの自制心をなんとか引っ張り出して、平静を装うことに成功した。
「なあ」
「ん?」
「予定変更だ。近日と言わず、明日になったらすぐ服を買いに行こうな」
「?・・・ああ、すまない」
とにかく、彼女たちの普段着だけでも調達せねばならない。
しかし・・・まてよ・・・大きなハードルがあるじゃないか。
女物の衣服なんて、彼女持ちの経験皆無の俺には選べるわけがない!
・・・困った。
◇◇
翌日ふたりを連れて、開店早々の近所の日用品店へ飛び込んだ。
中東は、おおむね活動時間が午後中心なので、昼前の今ならば店に客が少ないのである。
なんたって今のままでは、目立ちすぎるからな。
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