第114話光明
やがて…
藍の唇が、固まる優の左肩の白い肌を強く吸った。
「嫌だ!」
優は叫び、藍から、褥から逃れようと藍の腕の中で暴れた。
いつもの藍なら、これだけ相手に暴れられれば、すぐにどんな暴力も血を見る事も躊躇しないが…
ただ優に対してだけは、何故か藍はいつもより忍耐強かった。
しかし…
圧倒的な藍の力に、優は背後からねじ伏せられ、抱きすくめられる。
そして、藍は、又何度も何度も、優の肩の肌に口付けする。
そして更に、優の尻に、藍の下半身が当たるが…
藍の股間が、袴越しにも硬く興奮しているのが優に分かった。
しかも…
藍のアソコは繊細で美しい顔に似合わない大きさだ。
(藍の…藍の…デカい!!!)
優は、戦慄して体が震える。
そして…
あの、優にいつも強烈な殺意を向けてくる藍のアソコが何故そうなっているのか?
優には分からなかったが…
ふと危険を感じ、紅慶を再び召喚する事を考えた。
しかし…
さっきの召喚で、かなりの体力を使っていた。
やっと、朝霧のお陰で持ち直しつつあるのに…
今召喚したら、間違い無く…
今度こそ、自分が死ぬ予感がした。
優にとって今の紅慶は、正しく諸刃の剣だ。
そして、まさか今、前世とは言え藍を生かしたまま自分だけここで死ねない。
だが、もし召喚し、相討ちでも確実に藍を刺せるなら…話は別だった。
だがそれは、互いに死して尚魂が残るなら…
藍と二人きりで…
ずっと一緒に、永久の刻を地獄を彷徨う事になるかもしれないという覚悟を必要とした。
突然…
藍の力はやはり強力で、優は更に強く抱き締められたと思ったら、次には仰向けに寝かされた。
そして、何故か枕元にあった麻の縄で両手首を縛られた。
そして…
上から藍に覆い被され、体の上下の自由を封じられ…
藍の神の如く美しい顔が優の顔のすぐ上にあり、その藍の冷たい手が、優の左頬を何度も撫でた。
それはまるで、優が藍の恋人のような優しさだ…
だが、以前優は朝霧に同じような事をされたが、朝霧にされた時とは違う…
藍に対しては、嫌悪しか浮かばない。
「お前、観月春陽か?」
藍が手を優の左頬に置いたまま、目を眇めて呟いた。
ほぼほぼ、観月春陽みたい…な…
者だか、そんな事は言えず、優は目を見開き首を必死にブンブン左右に振る。
「本当に、観月春陽にお前はよく似ている。お前に聞きたい事が沢山ある。今から私のこの麻羅をお前の菊門に入れてじっくりたっぷり可愛いがってやる。いずれお前も喘ぎながら、私にしがみつきながら全て話すようになる…」
そう言うと、藍の顔がゆっくり上から近づいてくる。
口付けするように。
(はぁぁ?!お前何言ってんの?藍!)
優は青ざめ、尚暴れながら顔を左に背けた。
すると…
「チュッ…」
今の緊迫感に似合わない、とても愛らしいかわいい音がした。
藍は、避けられた事を気に止めずにそのまま優の唇でなく、右頬にキスをした。
そして、執拗にそれを繰り返すと、今度は舌を出し、優の頬をペロっと舐めた。
やがて、そのまま藍の唇が、優の右首筋を這うように降りていく。
(イヤだ!イヤだ!イヤだ!朝霧さん!朝霧さん!朝霧さん!)
優は藻掻きながら、その名を無意識に心の中で呼んで助けを求めた。
激しく、激しく、心の底から呼んだ。
すると…
どこからか?
小さな激しく輝く光が、優達の所に飛んで来た。
そして、一瞬で更に大きな光を放った。
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