第79話.悪魔のダンジョン8

魔王のダンジョン攻略は冒険者達に任せている…。

俺は何もしていない事は無いが。

出て来た素材を買い取っている。

俺が作った町は未だ完成にほど遠いが。

外部領地の外から来た冒険者で賑わっている。

大量の銭をつぎ込んだ。

ならず者達が穴に入り命を削っている。

そして手に入れた珍しい素材アイテムがどんどん買い取られて俺の手元に届く。

ダンジョン内の情報が冒険者ギルドを通して報告される。

(領地の)外から来た冒険者ならず者達は。

領地で出来たモノを金を払って喰って飲んで…。

温泉で発散アヘモンバトルして。

壊れた防具や武器の代わりは町で売っている。

我が工廠製だ。

資金の流出は起きていないので、追加の予算は投入して居ない。

人が集まるので商人も集まり始めた。

ビゴーニュ商会も看板を上げている。

今までも便利魔道具はビゴーニュ商会のシローとブーリャ兄妹が馬車で届けていた。

イレーネの息子シローは未だ若いが立派な商人だ…。

元々領内で早く商売を行っていた、オオカミ耳の妹連れの真面目な行商人として領内でも噂だ。

遂にビゴーニュ商会にビゴーニュ支店が出来たのだ。(王都本店はイレーネとロビン夫婦が運営している。)

町の発展に伴い儲かっている様子だ。

元々、俺の領地内でしか使えない穴あき帝国通貨だ。

両替商商人ギルドでも儲かっている。

手数料が出るので、頭の良い商人達は送金サービスを使わずモノを買って領地の外に持ち出している様子だ。

持ち出す物資は大概、武器と治癒のお札。

御札は長い間、軍に高い金で売り続けた結果。

治癒の御札の値崩れは起きていない。

つまり、冒険者も邦に帰る時は穴あき通貨をお札に替えて…。

道すがら売って歩く事で小銭を溜めているのだ。

魔王のダンジョンの新しい報告書を読みながら纏める。

人型の女メス型魔物の目撃情報だ…。

遭遇したパーティーは同士討ちが発生して、撤退したそうだ。

「地下3階でデーモンかサキュバスか…。お守りを装備していたのに精神支配か。コレはレッサー種ではないな…。しかし、懐かしい名前だな。本人か確認しよう。」

誰に使いを出すか考えている中、ダァーが鳴る。

「入れ。」

「おとうさま…。ごきげんよう。」

紫色の艶のある肩までの長い髪。

ようじょがダァーを開けた。

普通の青いワンピースだ。

「どうした、レイ。」

「はい…。別に用事は無いのですが…。」

首をかしげるようじょ…。

魔力を放出するレイ。

「俺には効かんぞ?」

レッサーサキュバスの魅了攻撃だ…。(半起ち)

「えー、こんかいは効くとおもったのにー!」

悔しそうな…。

「お前には未だ早い。」

「わたしもおとうさまをめろめろにして、めいどのひとたち見たいにけんぞくをふやさないと!」

姿を現す…。

幼女サキュバス…。

灰色全裸に蝙蝠羽だ。

残念ながらレッサー種、あの悪魔の卵の人工孵化だ。

悪魔は卵から産まれると一瞬で大きく成り。

人語を操った…。

今までは人と一緒に育ててみたが…。

非常に生き物臭くない行動原理だ。

どうやら自動学習能力AIが有るらしいが愛は無い。

翔ちゃんの世界の実験では母性は環境学習の結果らしいので、悪魔を単独で育てた場合は人類に敵対しない。

悪魔への聞き取りインタビューイズデーモン調査では、全く悪魔の目的を知らなかった…。

つまり、何処かで誰かが目的を指定している。

多分、親だろう。

このレッサーサキュバスは完全に白紙の状態で孵化して直ぐに俺の支配を受け入れた。

最近は環境を学習し本能を優先させ、俺で繁殖しようとしている…。

つるぺた全裸ようじょサキュバスを見る…。

悪魔紋章は入って居ない。

「そんなに眷属を増やしたいのか?」

簡単な悪魔紋章の実験は行った…。

「はい、むれを作ってたいぐんになって…。強者にほうしするのがつとめです。」

無垢なようじょの目で見つめる悪魔…。

「そうか…。」

それが悪魔の…レッサーサキュバスの本質製造目的か。

「強者とはなにか?」

「つよい方です…。わたしをそだてる。いまは、おとうさまのことです。」

そうだ…。

ここだ。

悪魔の支配者は変更できるのだ…。

強い者に付き従うレッサー種先兵の本質…。

そして数を増やす事に執着する…。

ソレは死が近い事に起因するはずだ。

悪魔の生存戦略にしては…。

霊長類では行われない戦略だ…。(実践中)

いや、一つだけあった。

翔ちゃんの世界の富国強兵の課程、”産めよ増やせよ地に満ちよ。”だ。

レッサーデーモンは数で勝負!!

畑で兵隊デーモンが収穫できるのが理想なのだ…。

しかし、そんな兵隊は侵略戦争にしか使えない…。

一番強い兵隊は父親である事だ。

家族への愛が有るからこそ、恐怖に立ち向かえる。

暴走しても慈悲心で止まる事が出来る。

痛みも恐怖も慈悲にも鈍感な人間は人ではない。

人の形をした殺戮機械キリングマシーンだ。

「おとうさま?どうかなさいましたか。」

顔色を伺う悪魔ようじょ

悪魔を繁殖してもコントロールは不可能だ。

魔王相手の方がアクセス権が高い。

「いや、考え事だ。」

「ふふふふふふ。」

笑う悪魔、コレは対人反応学習の結果だ、楽しくて笑っているのではない。

ブランでも出来る。

養殖悪魔に感情は無い。

先兵の母体には成らない。

俺は創らなければ成らない。


悪魔と戦い、人と子と友を愛する事が出来る戦闘機械を…。



(#◎皿◎´)俺は…兵隊が少ない。

(´・ω・`)レイ:悪魔オゥオの卵から生まれたレッサーデーモン。人の中で育てられる。

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