第77話.悪魔のダンジョン6

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」(コーホー・コーホー)

毒の池沼の周囲を土手で囲う。

と言うか環状線城壁を製作中だ。

ココに駐屯地を作る。

ならば埋め立て造成だ!

池沼包囲網が完成すると…。

残念ながら日没だ。

出来た城壁の上にテントとキャンプファイヤーでアナを監視する見下ろす

良いね、非日常だ。

時々アナから這い出すモンスターを遠距離から頭部のリングで切り刻む…。

丸太に座り、ワインのお湯割りを飲みながら。

彼奴らアナから出ると雄叫びを上げるので、狙い撃ちだ。

「暗くてわかりませんが…。人型ですな。」

執事はだかが温めたワインを鉄のコップに注ぐ。

「ああ、そうだな。全身毛だらけだ、ジャイアントエイプか、その亜種かもしれんな。」

ドラミングしていた。

熊ではない。

「はあ…。」

「でかい、大猿だ。岩を投げつけて来る。」

雑魚モンスターだ。

後半のお約束、色違いが出てくる。

色が違うと強くなる。

これ、ゲームのお約束。

うんうん投げつけて来る翔ちゃんの世界のリアル大猿ゴリラより質は悪くない。

翔ちゃんの世界には邪悪な熊が居るらしい。

島で唯一の熊、悪魔の一種だ。

くまも…。

「あ!また何か出てきました!!」

兵が叫ぶ…。

『キシャーーー!』

「そい!!」

レンガをマッハ7まで加速する。

アナから這い出たモンスターに着弾。

長い首の根本で折れ、力なくアナから転がり、池沼の中に倒れた。

尻尾と首の長い四本足で羽は無い。

鱗が在るか解らないが…。

「多分、土竜の一種だな。」

正直、興味ない。

このダンジョンは魔王と上級悪魔の宝庫だ。

必ず工口い悪魔モンスター捕獲ゲットする。

だから、赤字に成らなければ問題ない。

ワインのお湯割りを啜る。

「ドラゴンキラー…。」「すげえ、ドラゴンを倒した。」

そう言えば冒険者の山猫団はどうしているのだろうか?

流石に金を溜めて別の商売をしているだろう…。

リーダーは未だ冒険者をやって居るかもしれない。

「冒険者か…。」

そうだな、危険なアナに兵を出し入れして怪我をさせるのもアホくさい…。

冒険者ギルドを作って金儲けだ。

ココにダンジョン攻略の町を作ろう。

宿屋に道具屋と武器屋。

酒場と娼館。

全部、冒険者に払った金を巻き上げる施設だ。

池沼を埋め立てただけの土地では将来、地盤沈下が起きるだろうが。

高い建物を作らなけらば良いだけだ。

一時的な工事用飯場ビレッジを作るのだ。

王国中から、ならず者共が一旗揚げようと集まって来るだろう。

表の物品は全てビゴーニュ商会を通して…。

そう、上納金税金を納めさせるのだ。

地下ギルドを作らせても良い。

いや…。裏の表向きは金(キム)さんにやらせよう…。

真の裏の品はキムさんの手の内だ。

表と裏、真の裏。三面マルチを支配するのだ…。

俺はゴッサムシティの領主に成る!!

その方が領主と対立している地方自治体に見えるだろう。(ばればれ)

翌朝、朝靄に映える三角頭巾軍団…。

ヒャッハー共に増加装甲三角頭巾

「余計なお石灰!!」(コーホー・コーホー)

そう、毒の池沼を石灰で白く埋め立てる。

ぶくぶくと泡立つ湖面に…。

小型のモンスターが浮いてくる。

手足が生えた魚や蛙だ…。

キモイが石灰に巻かれて逃げる背中に追い石灰!!(手首と肘を曲げて手から放出!!)

「オブツは消毒だー!!」(コーホー・コーホー・プッシュー)

小麦…。いや。石灰ビブーティまみれで死んでいく白いモンスター…。

両生類なのか魚類なのか不明だが、呼吸困難で死んでいく。

こんがり揚げる必要も無い。

「すけそう…。まあ良い只の雑魚モンスターだ。このまま後で埋め立てよう。」(コーホー・コーホー)

茨の壁も毒の沼も石灰に染まって崩れていく…。

「ヒャッハー!屯パックが全て空に成りました!」

三角頭巾を被ったモヒカン兵の報告で…。

石灰の在庫が無くなった。

北の町に発注しないと…。

銭が掛かるな…。

来年の備蓄を使い込んでしまった。

追加で発注しておこう。

「では砕石の入った屯パックを出す。」(コーホー・コーホー)

収納から魔法の屯パックを出す…。

全ての毒の池沼を埋め立てるには、砕石が足りんな…。

重機ロードローラーが必要だ。

スクレイパーも。

ココまで運ぶのも大変だ。

結局、毒の池沼の1/3しか埋め立てる事しか出来なかったがアナへの通路は繋がった。

埋立地は兵を駐屯させるのには十分な広さに成った。

現在はダンジョンの入り口は閉鎖…。

では無く、壁と狭間の狭い通路で閉塞して、出て来たモンスターを兵が突き殺している。

壁の上から向こうからタコ殴りだ。

引き摺りだされた新鮮な魔物を兵達が解体する…。

「でっかいのが取れましたぜ!!」

司令部の丸い掩体壕に塩水で湯煎された魔石が運ばれて来る。

「おお、素晴らしいな。」(コーホー・コーホー)

片手で余るほどの大きさの魔石だ。

さす魔王のダンジョン。

魔物も魔石もBIGだぜ!!

「この大きさの魔石が取れるなら…。」(コーホー・コーホー)

今、製作中の蒸気機関車の性能は飛躍的に向上するであろう。

何せ、魔法陣でお湯沸かす構造だ。

構造上、節炭器燃焼排煙で供給水を予熱する機械が作れない。

従って、非常に効率が悪い。

大きな魔力を溜める魔石が必要なのだ!!

翔ちゃん!蒸気機関車ってこんなに効率が悪いのか!!(D51だと数%の仕事率です。)

牽引機関車は重量が必要なのは解っている。

火室が要らないので、水と燃料魔石が機関車に搭載されているタンク式だ。

従って、水が減ると牽引力が下がる。

復水器を何とか取り付けたいが…。

配管取り回し上難しいのが現状だ…。

マスクを取り目の前の魔石を手にとる。

「勝る!フハハハハハハハハハ。」

その為、魔力エネルギーを…。

「ご領主様、お楽しみの所申し訳ございませんが…。」

はだかが報告する。

「ふぁ!何だ!」

「無線馬車が前進してきました。スパス・メイド長から何時屋敷に戻るのか尋ねられています。」

「む!何か用事は…。」

有った様な気がする。

少々遊び過ぎた…。

貴族はうろたえない。

「そろそろ、お屋敷にお戻りに成られた方が…。ココは我々で。」

はだか執事が具申する。

「そうか…。すまんな。俺は将来ココに町を作って冒険者を呼び込む心算だ。」

「冒険者…。ですか?」

「ああ、兵を張り付かせるのも金が掛かる。冒険者にやらせる。必要な物を書き出せ。」

「はい、わかりました。」

さあ、俺達の魔王討伐は始まったばかりだ!

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