第37話27.オットー兵団14
製糸工場の中は完全に伽藍洞に成った…。
製造機械も製品も全て略奪だ!
やったね!翔ちゃん、俺の領地に製糸工場ができるよ!
トンパックに収まった各種機械を積んだ荷馬車に家族を取り戻したドワーフ達。
馬車を操るのは非戦闘員のエルフ達だ。
流石に馬車が満載なのと非戦闘員が多過ぎるので一部人員を
荷物を下ろした荷馬車はそのまま本街道への輸送に回される。
ハダカからの報告ではあちらはウハウハらしい。
慢性的に馬車が足りない程だそうだ。
既に本街道で小隊から中隊規模の帝国軍と遭遇戦が発生した。
お札で全て撃退したそうだ。
進行の速度を上げる必要がある…。
ドワーフの男達は戦闘の参加を望んだ。
”俺達は家族を取り戻せたが、未だエルフ達は取り戻せてない…。だから参加させろ。”
だ、義理堅いのか?
結局。
”実は、このまま進むと食料が足りなく成る。俺もこんなに大人数になるとは思って無かった。兵が減るのは俺も困るが。家人を見つけた者はすまないが先に帰ってくれ。荷物を無事に俺の領地まで運んでくれると助かる。”
との説得で大部分の荷馬車は
無論、後退しないドワーフとエルフも居る。
次の敵地は補給量から二個連隊以上が分散配置している。
その内、何処かの拠点にエルフの女の収容所がある筈だ。
単純に戦闘部隊で掛かりたい。
街道を外れ、山側の谷に敵部隊が居る。
無視しても良いが、司令部機能が在るかもしれない。
残しておいて後々、敵に後を突かれるのも嫌だ。
その為、向かう。
付いた先は収容所でも軍事施設でも無かった…。
狭い谷に張り巡らされた湯樋、硫黄臭い…。たぶん、硫化水素を発生させている。
湯煙が霞む谷合の…。山にへばり付く様に立ち並ぶ複層階の建物…。
川を渡る橋まで用意されている。
翔ちゃんも見た事がある様な町だ。
「温泉街…。」(コーホー・コーホー)
帝国軍の
書類上は帝国軍の軍事施設扱いなのだ…。
「とりあえず突撃だ!!」(コーホー・コーホー)
「「「ヒャッハー!」」温泉で消毒だー!!」
こまったら突撃!
これ、軍人の本分。
施設の入り口は簡単な検問所の様な作りだった。
一瞬で制圧する。
帝国から奪った
正面から堂々と温泉街を行進した。
簡単な仕事だ…。抵抗は無い。
と思ったら、意外にも兵が居た。
双方、奇襲攻撃に近い…。
銭湯開始の合図からか、鎧も引っ掛けずに剣だけ持って飛び出した敵兵が多い。
簡単に…。
「ぐはっ!」
パンツも履いてない相手に簡単に倒されるモヒカン。
「”賊め!!”」
剣を構え、吐き捨てる全裸の帝国兵…。
全裸が集結しつつある。
おいおい、手練れが多いじゃないか…。
「一人で当たるな数名で取り囲め!!」(コーホー・コーホー)
「”後退しろ!!”」「”弓持ってこい。”」「”建物の上から放て!!”」
窓から石や壺が落ちてくる。
「上からの攻撃に注意しろ!!」(コーホー・コーホー)
モヒカンのヘルムに皿が当たり割れる。
幸い落下物は軽いのか無傷の様子だ。
「ヘルメットが無ければ大怪我だぜ!!オブツは消毒だー!」
無論、無傷で無いモヒカン頭も在る。
数で勝るモヒカンはジリジリと前進する。
制圧に成功した建物も出てきた。
「ヒャッハー!面こいおなごだー!!」
「こっちにも居るぞ!!」
「”キャー!”」
女の悲鳴も混じる。
モヒカンが建物から女を担いで出てきた。
「捕まえたぜ!!」
「ヒャッハー!俺もだ!!」
湯に濡れた薄いローブを身体に纏った金髪の…。
「おい、ちょっとその女を見せろ。」(コーホー・コーホー)
「はい!ご領主さま!!俺が捕まえた女でべっぴんですぜ!」
「”ヒッ!”」
恐怖と、髪が張り付いた顔…。身体は確かにでらべっぴんだ!
すっぴんで着衣も濡れて身体が透け、ラインも臍の周りの刺青もはっきり見える。
「”おい!女、お前はエルフか?”」(コーホー・コーホー)
見覚えが或る身体…いや、イネスの紋章によく似て居る。
「”はい、そうです…。キャ”」
頭を押さえ、耳を確認する…先が切られている。
「”他にエルフは居るのか?女だけか?”」(コーホー・コーホー)
恐怖に震えながら答える工口フ…。
よく見ると女エルフは湯女の装備だ。
「”はい…。居ます。女だけですが最近生まれた子は男も居ます。まだ小さいです。”」
温泉工口フだ…。
「おい、兵に知らせろ…。エルフの女を発見した。各員、収容者の保護に全力を挙げろ!」(コーホー・コーホー・プッシュー)
「「「ヒャッハー!!」」」
「
「「「ヒャッハー!!」」オブツは消毒だ!」
「”ひっ!何を…。”」
「お嬢さん、さっきは済まなかった。安全な場所に移動するので付いてきてくれ。」
モヒカンを外して紳士に謝罪をする我が領民。
「”な、なんなんですか!”」
「”おい、女。エルフの男達がこの戦闘に参加している。君の家族が居るかもしれない、申し訳ないが一時、安全な場所に避難していてくれ。”」(コーホー・コーホー)
「”え…。それは。”」
国軍式に敬礼を行う。
「”詳しい説明も今はできない。我々は帝国と戦う別の…。外国の軍隊だ。”」(コーホー・コーホー)
それに倣うモヒカン…。
「このご婦人を(エルフの)弓兵隊に引き渡せ。”その兵に付いて後方に移動してくれ。後で詳しい話をする。”」(コーホー・コーホー)
「ヒャッハー!弓兵隊に伝令に向かいます。」
「”はい…。ありがとうございます。”」
モヒカンが護衛して…。
走る女エルフのケツを眺める…。
「良いケ…。いやいや、帝国に先を越されたな…。」(コーホー・コーホー)
流石先進国、帝国はもう既に男の夢、温泉工口フを…。。
泡風呂天国を完成させていた…。
恐るべし!帝国軍。
通達を聞いたエルフとドワーフの男達は鬼神の如き働きをした。
川が血で染まってしまったが…。
敵の抵抗は全て排除した。
エルフの男と女は手を取り合い再会を喜び、良人の最後を聴き泣いている。
モヒカン達は黙々と帝国兵の死体を並べ、略奪品を集めている。
押収した帝国軍の書類では。
ここは元々民間施設の鄙びた温泉地だったが。
軍が買い上げて傷病兵の
無論、湯女として連れて来られたのはエルフの女達だ。
書類を読み進める。
傷病兵の帰属が書いてある名簿が合った。
小隊番号と駐屯地まで書いてある。
地図に書き込む、兵力が丸裸だ。
「報告、確保した馬車と馬の数を纏めました。」
ダンが報告書を持って来た。
「ありがとう…。うーん。」
思ったより少ないな…。
収納魔法トンパックの数も随分と減った。
一旦、俺だけ屋敷に戻って
いや…。温泉で湯にも漬かりたい…。
随分とご無沙汰なのでスパスを揉んで帰りたい…。
どうせ今夜はエルフ達が水入らずだ…。
ヒャッハー!共も疲弊している。
煩悩が渦巻く…。
しんぼうたまらん。
「ダン、情報を収集する為に一旦、俺は領地に戻りたい。俺の不在の間は指揮を任せる。」
「はっ!」
かしこまるダン。
「明日…。いや、明後日の出立までには戻る、その間に兵を温泉に入れて養生させてくれ。酒は少しなら許そう。明日は休養日だ。」
「はっ!了解しました。完璧な状態で兵をお返しします。」
「悪いな…。取り合えず俺は城壁の村へ向かう。その後屋敷だ。」
そうなると居ても立ってもいられない(立ってる。)
転送馬車に向かう…。
スパスとクーリョの柔らかさを思い出す…。
べ、別にエルフの尻を見ただけで、発情しているわけじゃないんだからね!!
(#◎皿◎´)ふう。
(´・ω・`)…。(けだもの。)
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