第143話 酔い覚まし
メルティアは予想通り物凄い二日酔いになった。今は酔い覚ましの薬湯を飲んでベットで大人しくしている。ウルルスの知ってる高い薬草を特製ブレンドして煮出した薬湯はかなり苦い。二日酔いの時にしか飲もうとも思わない味だ。前にフェイとベスが二日酔いになった時は二日酔い自体がお仕置きだったので、この薬湯は出していない。酔い覚ましの薬湯の苦さもお仕置きだっだかもしれなかったのだが。
「メルティア具合はどうだ?」
「だいぶ良くなったわ、ありがとう。凄い効き目ね、あの薬湯」
「それは良かった。食事は食べられそうか?」
「何とかね……。食べた方が良いのでしょ?」
「酔いが軽くなるからな。無理に食べろとは言わないが」
「固形物じゃないなら、なんとか食べられそう……」
「そっか」
何が良いだろう? やっぱり薬草を使ったお粥かな……。今度は苦くない薬草を使ってやろう。部屋を出るとタライを持ったティアが居た。
「メルティアさんは大丈夫ですか?」
「ティアがウイスキーあんなに飲ませてたんだから責任は取れよ」
「モチロンです。体を拭く水を用意してきました」
「まあ、俺がやるより良いか」
「それより二日酔いの時に薬湯をなんで私には飲ませてくれないんです?」
「二日酔い自体が罰だし。薬湯もタダじゃないからだよ」
「ズルいです! 抗議します!」
「今度飲ませてやるから落ち着け。まあ、二度と飲みたくない味なんだけどな」
「……。二日酔いとどちらがマシですか?」
「似たり寄ったりだな。メルティアも出来れば二度と飲みたくって言ってたぞ? 凄い二日酔いだったから無理やり飲んだみたいだったな……」
「うぅ……。どちらもご免です……。」
「……。二日酔いは酒飲みの宿命だから諦めるんだな。どうせ酒を止められないんなんだろうし」
「それもこれもご主人様のせいじゃにですか!」
「なんでそうなる! 俺は普通にお酒を嗜んでるだけだろ!」
「あんなに毎日のように美味しそうに飲んでたら気になるじゃないですか!」
「それを見て飲む方が悪いだろ!」
「うるさいわよ。メルティアが寝れないでしょ」
「フェイさんご主人様が酷いんです」
「なんでそうなる……」
メルティアが休めるように場所を変える。
「そうね私もウルルスのせいでお酒飲み始めたからウルルスが悪いわね」
「味方が居ない何故だ……」
「師匠達もそう思いますよね!」
「私は師父に出会う前にお酒飲んでましたし……」
「私はそもそも飲みませんから……」
「俺のせいが多いだと……」
ガクリと膝をつくウルルス。本気で落ち込んでいる訳では無いが、未成年に酒を覚えさせた事実は変わらなかった。
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