第68話 助産婦
フェイもローガンも助産婦の意見を聞きに町まで足を歩いている。常人には町までは結構な距離らしく、良い運動になると助産婦に褒められたそうだ。医院と専属契約しているだけで常駐はしていない。ウルルスも数回しか顔を見たことが無い。この町に助産婦は一人だけで、結構お歳を召した方だ。経験豊富で、先生の指導にも一役買っている。これからはユリアを後継ににするつもりらしく、足しげく医院に通っている様だ。
「二人とも定期健診はどうだった?」
「問題なし。もう少し食べる様に言われたわ」
「私も問題なしです。注意点も無かったです」
「妬ましい……」
「羨ましいです……」
「二人とも本音が駄々洩れだぞ?」
ティアとロイの二人に逆レイプされるも当たらなかった。四人の子供の子守なんて物理的無理だから、正直ホッとしている。
「何故ですか! 愛が足りないんですか!」
「愛が重いからだと思いますよ?」
「ロイさんには聞いて無いですよ!」
「どんな重たい愛でもチャンと受け止めるから」
「うぅ、ご主人様の子供が欲しいですぅ~」
ティアは悔しさの余り四つん這いで床を叩いている。そんなに欲しいのか……。
「まあ、来年まで待つんだな……。母体が成長しきるまでは妊娠は危険だぞ?」
「長過ぎますぅ~」
「私は問題なしですね!」
「私が妊娠を許すとでも?」
ゆらりとティアが立ち上がる。ロイもたじろぐほどの殺気を纏っている。年少組が妊娠するのは何時になるだろう……。ティアが妊娠しない限りロイは妊娠を許されないだろう。
「落ち着けティア。お前は妊娠よりどっちかと云うと行為の方が好きだろ」
「皆の前で言わないで下さい! 淫乱だと思われるのは心外です!」
「同じ部屋ですもんね……」
「もう少し声を抑えてもらえると助かるわ」
ローガンもフェイも行為には気付いていたようだ、この家はそんなに防音は効いていないらしい。まあ、一軒家だし家族でしか住まないよな普通は……。
「私も混ぜて下さいよ!」
「拒否します。部屋を貸してあげているのでチャラです。タダ飯喰らいが!」
「私も賞金首倒したり家事手伝ってるじゃないですか! タダ飯喰らい扱いは止めて下さい!」
また墓守のお世話になったようだ。また町長の仕事を手伝うとしよう、毎回謝るのも飽きて来たし……。
副村長は要望と云う名の仕事集めてくるだけだし、給料要らないじゃないかな、冷静に考えると。
「何考えてるんですか? ご主人様?」
「ん? また町長の仕事手伝わないとなぁ、とか」
「覆面の下が気になります、不細工か絶世の美女か賭けませんか?」
「ティア、賭けは止めたんじゃ……」
「勝負師の血が騒ぎます! やりましょう!」
「女性陣の前では覆面脱ぐと思うから、今度お願いしてくる」
「楽しみが増えました!」
今度死体の片付けの礼と一緒に町長の仕事の報酬として覆面の下を見せてもらえよう、お願いしてみよう。
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