第24話 需要がなくても
家族ダンジョンの続編を書くことに決めました! 星やPVの数を見ますと、大人気とは言えません。むしろ人気が極端になく、ステルス仕様を疑うくらいに読まれていない状態です。
「それなら、どうして続編を書くの?」
誰もが思う疑問に早々と答えます。私の古い友人が続編を希望、いえ、熱望していますので。今まではやんわりと断ってきたのですが、それでも引き下がりません。そこで私はある提案をしました。
「カクヨムでアカウントを取得してくれるなら書いてもいいよ」
すると友人はだんまりを決め込みました。続編を諦めてくれたと思った頃にメールが届きました。
「ログインが雌鶏」
全身が脱力するような親父ギャグです。雌鶏はめんどいの意味になるのでしょう。最後の一文もふざけていました。
「続編を喜望峰」
南アフリカを旅行して頭を冷やしてください、と言いたくなりました。すぐに削除して頭を空っぽ状態でいました。するとじわじわときます。とてもくだらない内容が胸の中で大きく膨らんできました。程々の加減で肩の力が抜けました。
「……続編、書こうかな」
そのような言葉をぽつりと口にしました。最初の家族ダンジョンが評価されるまで、続編は書かないつもりでいました。日の目を見ることを信じて続編の概要は用意していました。ですが、いつになるかわかりません。続編の内容が古びてしまうことも考えられます。誰の目にも触れず、朽ちてゆくのを眺めているくらいなら、公開した方がいいのでは。
「続編を書こう」
このような気持ちになるのに、それほど時間は掛かりませんでした。
大切に保管したまま朽ちてゆくのであれば、後悔しないように公開する道を選びます。心に強く思いました。いつから、とは言えませんが。
ん、後悔しないように公開するって……友人の悪い癖が伝染したようです。
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