5分で解決探偵考察、〆切前にできること(後編)
ところで、あいかわらずカテゴリエラーが多いですね。現代ドラマ、異世界ファンタジー、恋愛、ラブコメ、SF、ホラーなど。応募総数が六月二十三日の時点で630話以上あるので、カテゴリ違う作品はほぼ読まずに無視してますが、ちゃんとミステリー仕立てになってるなら、ジャンル設定を直したほうが選考に有利じゃないかと思う。恋愛とかラブコメの人たち……選択を間違えてるんじゃないだろうか? ほんとは『誰にも言えない恋』に出したいんじゃ? ひとごとながら心配になる。
ほら、カクヨムコンでも、ラブコメでホラー部門に出してた人、ランキングではぶっちぎりで一位独占の勢いだったけど、やっぱり最終選考通らなかったじゃないですか。
だって、募集要項に、
5分で解決探偵、あらわる(ミステリー)
って、わざわざカッコ書きしてあるんですよ?
今回はミステリーを求めてるよってことでしょ?
ホラーは何作か読んだけど(ホラー好きなので)やっぱりミステリーじゃない。
僕はミステリーの大前提は、論理的に謎を解いていく物語だと思ってる。なんちゃってでも、なんとなくふわっとでも、そこは論理的な解決がほしい。
ホラーミステリーはアリだけど、ただ不思議な現象が起こるとか、霊が出るとか、怖いめにあうだけなのは、ミステリーじゃない。
なぜか、ホラーをミステリーだと勘違いしてる人はけっこう多い。エブリでもミステリージャンルに設定されてるのに、内容はただのホラーということがよくある。
あと、自分もガッツリやっちゃってるのでアレなんですがw
公募にシリーズ物はいらないって聞きますよね。公募にはその作品一冊でのクオリティが求められるので、その話のなかで完全に完結してる読み切りが望ましい。
今回、同じ探偵を使いまわしてシリーズ物で書いてる人がけっこういたので、そこが選考にどう出るか。
僕はいちおうシリーズ物であっても読み切りと同様に一話ずつ読める内容を意識して書いてましたが。
シリーズって書きやすいんですよね。キャラクターができあがってるので。
ただ僕は念のため、シリーズ物以外も三作品、読み切りをこそっと参加させてます。シリーズってだけで選外アウトになってしまったときの、言わばすべりどめですね。
ちなみにカドカワ5分シリーズを検索すると、募集された一テーマごとに一冊出てるみたいですね。
というか、『通学路、振り返るとそこにいる』と『ゼッタイに振り返ってはいけない』は、たぶん去年の同じ募集テーマからの選出なんじゃ?
ということは、一テーマから二、三冊刊行されることも夢じゃない?
書籍化レベルだなと判断される作品が多数あれば、三冊くらい出るかも……しれない。とくに誰にも言えない恋は応募数も多いし。
去年チラッと見たとき、収録話数がやけに多いなと思った。一冊につき十三〜十五話くらい? エブリの5分シリーズだと七、八話なので、その倍くらい収録されてる感じを受けました。たぶん、募集時の文字数が少ないせいですね。妄コンは最大8000字だけど、カクヨムでは6000字なので一話が短い。
なので、入賞しなくても選ばれる可能性はある。
ところで、5分探偵のことばかり書いてましたが、今イベント総数は二千をこえました。そのうち三分の二強が誰にも言えない恋。三分の一に満たない数が5分探偵。
通常どおり、一テーマ一冊選出なら、確実に5分探偵が有利。もし万一、去年の『通学路ふりかえると』のように一テーマで二冊出してもらえるなら、5分探偵の場合、約320話のなかから最大15話選出されます。あれ? 約20分の1じゃん? 一テーマ一冊だとしても40分の1?
そこそこ光が見えてくる気がしませんか?w
誰恋の場合はもうちょっと狭き門になりますね。
現状でも1400話以上が応募されてるので。そこで一テーマ一冊なら、すごい倍率。しかも恋愛って、シチュエーションとか展開とか似てくると思うので、頭一つぬきんでるには、そうとうの仕掛けとか、グッとくるシーンとかないとムリそう。
ただ、こちらも一テーマで三冊くらい出してくれたら……話は変わってきますね。
今回、二テーマだけの募集だったのが、なぜなのか?
前回は四テーマだった気がする。
最後は必ず私が勝つ
通学路ふりかえると
扉をあけたら異世界
恋が成就する5分前……?
だったかな? 正確なテーマじゃないです。うろおぼえ。
たぶん、四テーマだと応募総数が増えて選考が大変だからってことじゃないかと思います。5分シリーズの売れ行きがよければ、また次々、募集されるんでしょうね。
もうじき〆切なので、すでに応募してる人にできることは、以前の受賞作を読んで研究し、自作をブラッシュアップさせること、ですかね。
もしも信頼できる書き手さん仲間がいるなら、強めのダメ出ししてもらうのもよし。
厳しい意見ほど、役に立つものです。他人からはアラが見えるものですから。
まだ出してないけど〆切までには書く! という人は、とりあえず、かぶりネタはさけたほうがいい。あと出しするわけだから、そのくらいの利点は有効活用しないと。
この人はうまいな、いい出来だ、と思ったいくつかの作品は、不思議とオリジナリティも高かった。
とくにミステリーなので、その作品のなかでだけ通用する独自のロジックを打ちだしてる作品は、ほかとは違う異彩を放ってる。
〆切まであと数日。
ラストスパート、がんばりましょう!
※追記
戦うイケメンコンテストの結果が出ましたね。このネタだけで一話書ける気がしないので、公募攻略ってことで、ここにちょこっと書いときます。
今回の総評と選ばれた四作を見て(なかまで読んではいない)、たぶん、最終的に重視されたのは、中編としての出来栄えだったんでしょう。
何人か近況ノートに「結果残念でしたが、作品は最後まで書きあげます」と書かれてる人がいたので。その人たちは規定の六万字をこえて作品が続いてるんですよね。
選ばれた四作は全部、二万字から六万字のあいだでした。そのうち二作品は完結しています。
で、応募要項を読むと、二万字以上六万字以内の作品。完結、未完結は問わない(完結しているものには完結設定)。
ここ、重要ですね。
このイベントはつまり、未完結で六万字まで書けてればいいのではなく、規定の文字数内でしっかり完結することを前提とした作品が求められていたわけです。
十万字、二十万字と続く作品の六万字までのストーリー展開と、六万字できっちり完結した作品の展開では、もちろん後者のほうが起承転結しっかりしてますから。内容がギュッと中編に濃縮されてるわけです。ラストあたりには山場もあるので、とうぜん、盛りあがる。
入賞者は四人のうち二人がプロ、一人はデビュー決定してるそうで、三人がアマチュアではないって結果でした。
選考さんが実績を求めた……とまでは言いませんが、好意的に考えれば、たまたまクオリティ高いのを選んだらそうだった、ということなんでしょうね。
おそらく、この人たち(とくにプロ二人)は六万字で完結することを狙って書いてます。
イベントごとに求められてるものって違うので、そこをちゃんと見極めて狙えることがプロってことかもしれません。
なので、似たような条件のイベントが次に来たときは、たとえ未完結可だったとしても、そこも考慮して挑戦すれば、より受賞に近づけるのではないかと思います。
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