プロローグ、読む、読まない問題
こちらも近況ノートにて、嘆いているかたがおられました。
読まない読者さんが多いので、もしかしてウェブ小説にプロローグはいらないのかなぁという話。
そのかたの知りあいの書き手さんたちが、それぞれの意見を言われてました。ポエムや設定の説明ならいらないんじゃないか、ただ作者本人が書きたいなら書けばいい、などなど。
僕、これ、読まれなくなった原因を知ってるような気がする……。
プロローグだけ読まれないっていうの、カクヨム特有なんじゃないかと思うんですよね。エブリにいたころ、そう感じたことなかったので。もっとも、エブリはページごとの読まれた読まれないがわからない仕様なのでしかたないですが。
一、二年前までカクヨムにいた、とある書き手さん。僕はまったくからんだことないんですが、近況ノートは読んでました。とがった人だなと思ってた。
じっさいにカクヨムに投稿されてるラノベ作品のタイトルを出して、自分の近況ノートで論破するのがお好きだった。かなり悪様に罵倒して、「最近の若いやつはこんなことも知らんのか」ってね。
まあ、だから、運営さんから誹謗中傷のくりかえしとみなされて消されたのではないかと思う。いつのまにか見なくなったので。
で、この人がですね。自作の創作論のなかで、「プロローグはどうせつまらんことしか書いてないから読まなくていい」と記載されてたらしいのです。
僕自身はその創作論読んでませんが、『創作論に書いた』旨を、当人がノートに記されてたので。
で、その創作論、かなりの人が読まれてたんですよねぇ。創作論のランキングで、つねにトップ3に入ってるほどの人気作だった。
残念ながら、僕のロイヤルティで稼ごうは、まだぜんぜん、そこまで読まれてない。たぶん、たくさん書けとか、創作は慣れだとか、けっきょく努力とか、厳しいことしか書いてないから、楽して結果だけ出したい人に受け入れられない。
おそらくですが、さきほどの人の創作論が、楽して結果を出すタイプのものだったんでしょう。書き手にも読み手にも便利ではあったんだと思う。時短技に近いというか。ただし、僕はやめたほうがいいと思うやりかたを推奨しておられた。
というのも、これもご本人がノートで、「たしかにテンプレはパクっていいと言ったけど、ほんまに、まんまパクったらあかんよ。そこは自分なりに手をくわえないと」みたいなことを……。
パクっていいって……。
僕は絶対、反対ですけどね。
昨日から小説書き始めました〜! みたいな人が「パクっていい」と言われたら、そりゃ、まんま盗作するでしょうよ。どこまでよくてどこからダメとかわからないですし。
この人の推奨してると思われるやりかたで、何度もパクられたことのある被害者側の僕としては、やられたほうはほんとに腹立つんで、やめなさい、としか言えない。
妄コンでアイデア丸パクりされると、両方落ちるっていうアレね。ほんと迷惑なんで。オチだけ変えても、テーマの使いかたで審査されるんで、共倒れになる。
創作論じたいを読んでないので、詳しいことはわからない(ノートに書かれてたことしか知らない)ので、そのやりかたについて、ここでは詳細を述べることできませんが。
この功罪はほんとに大きいと思う。パクってもいい、という気持ちで書いてる人と、パクってはダメと思って書いてる人の話は根本的に違ってくる。だって、心のなかで、つねに「最終的にはパクっていいし」と思ってる人の話なんて、オリジナリティにあふれてるわけがない。壁を実力で乗り越えられないから、いつまで経っても同じとこでつまずく。小説力を養うことができない。とくに発想力を鍛えることができない。
その状態で書き続けたとしても、「どっかで読んだような話」しか書けないと思いますよ。たぶん、一生。
それを推奨して、昨日今日書き始めたような人たちに「あっ、やってもいいんだ」と思わせたことは罪が重いです。
ご本人的には、テンプレとして、すでに共通になってることならパクってもいい、オリジナルの部分はマネしちゃダメって意味だったみたいですが、そんなの今までにたくさん書いてきた人にしか伝わらないよ。
このプロローグ読まなくていい問題も、この人が広めたんじゃないかなぁ?
まあ、この人だけのせいではないと思うけど、いったん広まってしまった便利な説は、もう止まらないし、なくならないんで。
僕としては、プロローグはプロローグで、ちゃんと仕掛けがあるので、ぜひ読んでもらいたいですけどね。
たとえば、青蘭の第一部のプロローグには、じつは大ラスの伏線が仕掛けてあります。シリーズ完結作まで読むと、じつはあれが伏線だったんだなとわかる。
その伏線にはラストまで気づかないにしても、同じ一部のなかへもからんでくるので、プロローグを読みとばしてると、龍郎との出会いが運命的なものだってことがわからない。青蘭が悪魔と契約したこととか。火事の部分、龍郎の視点とプロローグの青蘭の視点では、書いてある内容が違うので。
よく視点を変えて同じ場面を書く人いますが、僕あれ嫌いなんですよね。同じ場面ではなく、時系列をちょっとずらして書くべき。じゃないと読んでると退屈する。
あっ、今回はいろいろ論点がズレるな。
とにかく、プロローグに大事なことを書く人もいるので、読んでほしい。
僕の作品にはプロローグあるやつと、ないやつがある。今回は必要ないと思ったときには書いてないんですよ。必要あるから書いてるわけで。そこを読まないことによって犯人を推理することができませんでしたってこともあるでしょう。
ちなみに、冒頭にポエムっていうのは、昔からある手法で、エピグラフって言います。詩や他の作品の一部を引用するやりかたです。引用するなら著作権にひっかからない作品にしてください。
ところで、プロローグ読まれない問題でかわされていた話題の一つに、プロローグ、エピローグ(含むその前後数話)だけを読んで評価する人がいる、というのがありました。
たしかにいますね。そういう人。僕も前にされたことあります。20万字のミステリー、プロローグとエピローグだけ読んでも、殺人事件起こってないのに楽しい?
たぶん、これも、どなたか(例の創作論の人かどうかまではわからない)が勧めた読みかたに違いない。最近、それする人いなくなったので。一時期に集中して多かったなぁ。ちょうど、創作論の人が幅をきかせてたころだ。
読みあいでいかにも全部読みました、みたいなレビューをちょこっと書くために、便利なやりかたとして考案されたんだろう。
たくさん営業して、たくさん星を集めるためのズルイ方法ですね。
僕はそういう人のことは無視しますけどね。
「この人、ちゃんと読んでない」っていうモヤモヤはどうしても抱えるし、もっともらしいレビュー書かれても、作者なら、ちゃんと読んでるかどうかはすぐわかるから。
営業が絶対ダメとは言わないけど、ほんとに気のあう仲間を見つけたいなら、そういう方法はやめるべきですよ、と。
じっさい、その創作論の人も運営から消されたっぽい。作品ごと消えてるし、ご本人は自主的に退会しそうにない人だった。
ほかにも定期的に問題を起こす人はいるわけだけど、ノートで悪目立ちしてる人は、たいてい、のちのち運営からアカウント削除されてる。
プロローグ読む読まないにはまったく関係ない内容ばっかりだったけど、あんまり変なことはしないほうが無難ってことです。
肝心のプロローグは、つかみにふさわしければ書いても問題ないと思います。とばして読まれることも考慮して、一話めとプロローグ、両方に異なるつかみを用意しとけばいいんじゃないですかね?
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