どんでん返し考察の続きと読者選考のある書籍化イベント


 さて、中間結果発表から一晩たちました。近況ノートの新着、すごい数でした。一時間で、あっというまに流れる。


 そのなかで、いくつか目に止まったんですが、それらを見ると、通過ラインがポイント制っていうのは、わりと現実的かなぁと思いました。


 というのは、突破しましたという人と、通りませんでしたという人の星の数がバラバラなんですよね。

 両方どんでん返し部門への参加作品で、一人は設定ジャンルがラブコメで星26なのに通りました、もう一人はホラーで星36でダメでした、という報告をされてる。


 どんでん返しにおいては、ランキング上位が編集部の求めてる感じでない作品が多いため、ミステリーなどを多く残すよう通過ラインをめちゃくちゃ低く設定したのかなとも考えたんですが、もしそうなら、上記のホラー36の人は残ったはず。


 ということは、星36以下で残ってる人は、みんな拾いあげ?

 でも、それはさすがに現実的ではない。それだと、たぶん中間突破した人の少なくとも20%くらいは拾いあげになってしまう。


 また、別の人の話。その人は異世界ファンタジー部門だったみたいだけど、星100が残ってるのに自分は落ちた、こんなの読者選考と言えないと怒ってる人がいた。その人は星280くらいだったかな? とにかく200は超えてた。自分はレビューを書いてて、星少なくても残ってる人は書いてない、レビュー書いたらマイナスポイントされるんだ、みたいなことを訴えておられました。


 つまり、相互営業をしてる自覚はあるわけですよね。

 レビューを書いたらポイントをマイナスされるってことは、いくらなんでもないと思います。ただ、参加者同士での星評価はポイントが低いってだけかな。


 前回、参加者同士の星が一ポイントだとしたら、不参加者の星はその二倍以上で計算されてるんじゃないかと書きましたが、もしかしたら、さらに、参加者同士の星は一個につき0.5ポイントなど、一ポイントを割る計算されてる可能性はあります。


 もしそうなら、実質、不参加者からの星は一個につき、参加者からの星にくらべて四倍の評価がつくってことなので。


 この状態で、どんでん返し部門の通過ラインが50ポイントだとしたら、不参加者にたくさん評価された26の人が通り、参加者同士で星なげあった36が通らないってことはありうる。

 同様に異世界ファンタジー部門で、星100で通って200で通らないってこともある。


 今年のキモはポイント制かなぁ。ラブコメジャンルでどんでん返し部門星26拾いあげって、ないんじゃないかと思うし。じゃないと、あの途中での参考作品のお知らせはなんだった? ってなる。


 とにかく、今回からのカクコンは相互営業では通りにくくなった、というのは事実のようです。むしろ、そのほうが健全な読者選考に近づいた第一歩なんだと思いますけどね。


 相互になげあった営業活動の人たちばっかりが上位を独占するから、作品の内容の良し悪しなんて関係ない、つまんなくても相互で受かる、なんて事態から遠ざかることができるわけで。相互で上位が独占され、それをもとに書籍化されても、じっさいに本になったら、思いのほか売れないってことが、ままあるらしいですね。そこが回避される。読者がほんとに面白いと思う作品が通りやすくなる、それは素晴らしいことだと思うんですが。


 じゃないと、本にしたとき売れない作品ばっかり上位じゃ、編集さんも困るでしょ。

 その点は編集さんも憂慮されてるんじゃないかと思うふしがある。


 今回のカクヨムコンが始まる前後から、ひと月ぶんの読書量がわかるシステムになったじゃないですか。読んだ文字数、読んだ冊数、レビューを書いた本数ですね。


 あれを純粋に「たくさん読めよ」という意味にとらえた人は多かったみたいですね。当時の近況ノートを読んだ感じでは。


 でも僕はあのとき、「これって明らかにカクコンの営業対策だよな」って思いました。そう考えたかた、ほかにもいらっしゃいますか?


 だって、自分からそれらの数値見れるってことは、運営側からも見えてるんですよ。その人が書き専なのか、読み専なのか、または営業ではなく純粋に書きながら読む人なのか、本気の営業なのかまで、ひとめでわかる仕様になってます。


 投稿文字数にくらべて読みが少なければ書き専だし、投稿はまったくないのにスゴイ量読んでれば読み専。投稿も読んだ文字数も多く、レビューもそこそこ書いてれば、読み書きで活発に活動してる証拠。それどころか、読んだ文字数は少ないくせにレビューばっかり書いてる人は、営業なんだなということがハッキリ伝わってしまう。


 いざ、カクヨムコンで拾いあげをするとき、営業だなと数値的にわかる人を、わざわざ選んで残すと思いますか?

 好んで残しませんよね。

 もちろん、じっさいに読んでみて文句なしで面白ければ、そんな数値関係なく拾いあげられる可能性はあります。けど、なんと言っても編集さんは参加作品全部に目を通せるほどヒマではないだろうし、下読みを使ってるにしても、朝読賞の選抜を優先するだろう。それに、申しわけないけど、営業しないと読まれないってことは、作品じたいに面白味が少ない……。


 ここに来て、運営さんはほんとに売れる作品を欲しがってるのかなと。少なくとも営業対策はしておきたいと思うくらいには、現状を打破したいと考えてる。


 同様に読者選考のあるサイトに、アルファポリスがありますね。あそこは投票制。一人三回の投票権をあたえられる。ただ、投票で得られるポイントは一回につき500。一人三回なので、誰かと営業しあっても1500ポイントなんです。そしてトップの獲得ポイントは万を越す。なので、相互営業ではどうやっても太刀打ちできない仕組みが最初からできている。


 カクヨムもやっと、それに近づいたってだけですよ。

 営業の星が評価されないと憤慨するなら、そのぶんの努力を、作品をおもしろくすることに費やせばいいかな。


 なんなら、カクヨムもアルファポリスのように投票制にすればいいと思う。作品を愛してくれる読者がたくさんついてる作品ほど、上に行く。しごくまっとうな世界ですよね。


 ちなみに、読者選考のイベントで上位に入るためには、何よりも、ふだんからそのサイトで活動してることが必須ですね。


 カクヨムでも、カクヨムコンのときだけ参加しにやってくる人がかなりの数いますが、その人たちには固定の読者がついてるわけじゃないので、残るのは難しいです。営業で残るにしても、いっしょに相互してくれる人が大勢いないといけないわけだし。


 アルファポリスのようなところだと、投票権は貴重ですから、その時期にだけ置いても新規で読んで投票してくれる人はいませんね。やっぱり日ごろからそこで活動して、人脈を作っておかないと。


 アルファ型だと、書くジャンルの違う書き手同士が集まれば、営業できてしまうけど……。

 毎月ジャンルごとのイベントがあるから、自分の参加しないジャンルのときに投票すれば……。同じジャンル書きだと、つぶしあいになってしまう。

 それにしても、万ポイント超えるためには、百人単位で相互の相手が必要になる。やっぱり、ほっといても読者がついてくる作品を書くしかないですね。


 あっ、あとね。蛇足なんですが、読まれない読まれないと嘆かれる人がすごく多いんですが、それなら、イベントに参加すべき。今ならKACが盛りあがってるじゃないですか。公式イベントの参加作品は読む人が多いので、今ならKACに、高校生なら夏のカクヨム甲子園に、冬にはカクヨムコンにあわせて書いて出すだけでも、読まれる確率はずいぶん上がると思います。



 ※追記

 そういえば、去年、聞いたんだけど、異世界ファンタジー部門は激戦区なので、通過ラインが星300とか、めっちゃ高かったはず。異世界ファンタジーは自分に関係ないので、正しい数値を覚えてないですが、SF部門とはケタが違ってたのはたしか。なので、星100で通ってる人は拾いあげの可能性もあります。

 また、朝読み参加作品で最終候補に選ばれると、星の数に関係なく通過します。あれは編集さんが読んで選ばれてるんで。

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