上手いレビューの書きかた
さて、先日、カクヨム運営さんからレビューについての注意点がありました。これ、前にも一回あったけど。よっぽど苦情や通報が増えてきたんでしょうねぇ。
たしかに、新着レビュー見てて、「これはヒドイ! こんなのよく作者さんは消さずに残してるなぁ」と思うレビューが載ってることがある。その時間、もしかしたら作者さんは寝てるのかも。そしたら朝までそのヒドイ誹謗中傷が人目にさらされてるわけだよねぇ。運営さんが勝手に消してくれるならいいんじゃないでしょうか。
まあ、アンチがいるっていうのは人気がある証拠なんだけど。
僕にはアンチってほどの人はいないと思いますが、一度だけカクヨムで変なレビュー書かれたことはあった。
まだ一章の序盤しか読んでない状態で星1評価「今のところ設定の勢い以上のものは感じられない。これからどう化けるか楽しみ」みたいな。
物語の冒頭だと理解した上で、あえて書くほどのレビューじゃないですよね? 逆にこれを読んだ多くのユーザーは「つまんなさそう。読む価値なし」と思いますよね?
ちなみにそれを書かれた作品は『異空人』ってホラー小説なんですが。最後まで読まないとわからない、どんでん返しがあるんですけどね。
以降、その人が読みにきた形跡はないし、これには悪意を感じたので、のちに自分で消しました。
まあ、それはそれ。
今回はレビューの書きかたについて考えてみましょう。
小説の上達のためには、たくさん読むことも重要。玉石混交、いろいろ読んでくなかで、だんだんに自分が今、どのくらいの腕前なのかもわかってきたりする。
たくさん読むと、なかにはレビューを書きたいと思う作品にも出会うはず。
じゃあ、どんなレビューがいいのかな?
前述のとおり、カクヨムではレビューで誹謗中傷することを禁止されています。
なかには、本人はまったく中傷ではなく、アドバイスや要望のつもりで書いた文章を誹謗中傷と誤解されて、作者にブロックされたり、ヒドイ場合は運営さんから警告を受けることもあるようです。
近況ノートで何件かそういうの見ました。悲しいことに、読み専さんがよかれと思って書いたレビューが、作者の逆鱗にふれてしまうことがよくある。
他の書き手さんの作品にレビューをつけるときは、くれぐれもアドバイスはしないほうがいいです。
基本的にレビューとは、その作品の素晴らしさを伝え、広く宣伝するもの。
「この作品、なんか面白そう。読んでみたい!」と思わせるように書くことです。
それが、なかなか難しい。
丁寧に書こうとして、その作品のあらすじを書いちゃう人もいる。これ前にも書いたけど、NGですね。
以前、おつきあいのある人で、たぶん、本人は善意で書かれたんだと思うけど、レビュー文の八割があらすじだったことがある。ミステリー短編の謎解きに入る手前までを事細かにあらすじ書かれたんですよ。正直、消したかったです。
これから作品を読む人にストーリーの要約を解決手前まで見せて、それで読みたいとその人は思うか? 思わないでしょう。もう内容わかったからいいと思いませんか? ファスト映画といっしょです。これは営業妨害。
あらすじを書いていいのは、作品全体の進行の十分の一ていどまでかなと、僕個人は思ってます。序盤が終わるあたりですよね。
さて、こんな感じで物語が始まるんですよ。どうです? 気になるでしょって、読者の好奇心をくすぐるために、ちょこっと書くのはオッケーかなと。
「たった今、読みおわりました。読後感の余韻にひたってます。もう感動」とかは、ぜんぜんアリ。
ああ、感動できるいい話だったんだ、と読む人に伝わるので。
このように、正直な感想はそれが作品を褒める内容であればいいでしょう。
たとえば、すごくダーティーな作品で、ふつうに読んで心地よい話ではない場合、それでも素晴らしければ、文学として褒める。
でも、ただ褒めるだけでは、「どうせ作者同士のなれあいでしょ?」と思う人もいるので、そう思われないように書かないと意味がないですよね。
やっぱり大事なのは、物語の勘所をつかむ目かなと。
この話のテーマはコレで、作者さんはこういうことを表現したかったんだろうなってことを自分なりに理解する。読解力ですね。
もちろん、ほんとに作者さんの意図を的中させる必要はないです。自分がそう思えば、それでいい。
そう。レビューのなかにも起承転結があるんですね。そのために、テーマとか把握しておくと書きやすい。
(エッセイとしては、ここで転になった)
レビューの起。
いわゆる“つかみ”です。物語の本質をとらえたインパクトのある単語をならべると人目をひきやすい。とくにカクヨムではレビューにもタイトルつけられるから、そこでインパクト! 自作のキャッチコピーを印象的にする練習にもなります。
レビューの承。
あらすじを書くなら、このへん。あくまで作品のさわりの部分だけ。もっと知りたいと読む人が感じるあたりまで。
あらすじを書かないなら、物語の具体的な魅力。キャラが素敵で生き生きしてる、とか。繊細でなおかつ華麗な文体に酔う、とか。あるいはテンポよく進みサクサク読めるので、つい夢中になってページをめくっている、とか。作品を分析的に見た良い点を述べる。
レビューの転。
レビューなので「あッ」と言わせるのは難しい部分。
自分の感じた想いをダイレクトにぶつけるといいかも。ネタバレにならないよう配慮はしよう。くりかえします。ネタバレ注意!
「ああっ、これからどうなっちゃうんですか! 早く続きが読みたい。気になりすぎて困ります」とか「正直、ラストは泣きましたよ?」とか、読者としての生の声がいい。
分析と感情の両方を述べることによって、作品を多角的にとらえることができる。
レビューの結。
まあ、ここは結びの言葉です。
「秋の夜長をこの大作とともにすごしてはいかがですか?」とか、「ミステリー好きには、ぜひお勧めです!」とか。作品へ誘導する言葉でしめる。
以上です。
が、これはあくまで僕の書きかたなので、作品も人それぞれであるように、レビューにも個性があっていいです。よかった、おもしろかった、この話好きだっていう想いが伝われば、それでいいので。
レビューにも人柄というか、作風が出ますよね。
例のあらすじレビューを書かれる人は、ほかの作品にも同じ書きかたをされた。あらすじ=レビューと勘違いしてるんじゃないかと思うほど。その人の作品はやっぱり文体が硬くて、なんとなく、あらすじっぽいんですよね。ストーリーとしての肉付けが薄い。
優しい人は優しいレビューを書くし、まじめな人はまじめなレビューを書く。乱暴な人は乱暴なレビュー。
作品がうまい人ほど、レビューもうまい気がするんですよ。読解力と表現力の水準が表れるのかなと。
よく他の作者さんの話を読んで勉強しますと言われる人がありますが、どうせならレビュー文まで書くと、より深く作品の長所短所を理解できるのではないでしょうか。
(↑こういうのが結びの文w)
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