カクヨムユーザーが妄コンにチャレンジするには



 妄想コンテスト。

 昔のコツを思いだしながら書いてたら、なんか気になったので、ひさしぶりにエブリで観察してきました。二年か三年ぶりくらい。


 ここ最近に結果発表があったテーマを十回ぶんくらいかな。大賞のみ読んだ。回によっては、入賞作品三作、またはその他の気になった作品を一、二。


 で、わかったこと。

 その一。いまだに常連制度は続いてますね。十人くらいの一部の人が賞の周辺を独占してる感じ。もちろん、その回だけの受賞者もいるんですが、なんとなく感覚としては、優勝作品以上の半数近くが常連なのかなと。


 さて、みなさん、常連になりたいですよね?

 どうやったらなれるのか?


 ある一定レベルの水準で、いい作品をたくさん出すこと——それにつきるんですが、だから、いい作品って? と思いますよね?


 今回、常連さんの有無を調べるために、応募作品(の作者名)をチェックしてたんですが、何名かはカクヨムでもよく見る人の名前がありました。


 名前は知ってるなという人の作品をついでに、と言ったら失礼かもですが、どんな作品で参加してるのかなぁと気になったので読んでみました。読む気にすらならないタイトルの人も一部いましたが……。


 結果から言って、カクヨムで人気の作者さんが、エブリの妄コンで入賞するのは至難の業です。

 なぜなら、

 一時期、妄コンチャレンジしてただけの素人の僕が読んでも、これでは選ばれないだろうな、と思う作品ばかり。


 逆に言えば、だから僕の妄コン用に書いた作品は、カクヨムじゃ読まれないんだなってことなんですが。


 まず、カクヨムとエブリスタの大きな違い。カクヨムはラノベサイトであること。エブリはどっちかと言えば文芸寄りなんですよね。

 なので、ラノベっぽい作品はまず、それだけで入選確率がガタッと落ちる。美少女と同居とか、幼なじみとエッチとか、パンチラがどうとか、厨二病的なやつはすべからくアウトです。


 編集さんが代わっても、やっぱりエブリは心理描写の豊かなヒューマンドラマが好まれるというところは同じでした。


 最近、入賞入選してる作品の半分くらいはヒューマンドラマ。残りのさらに半分が恋愛と青春。それも清々しい純愛ね。

 で、残った25%ほどが、ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、歴史などのその他。


 ファンタジーはもうちょい多かったかもだけど、選評を読むと、ファンタジー世界を舞台にしてはいるものの、その登場人物の織りなす人間関係を評価されてることが多い。


 ズバリ!

 妄コンで入賞するためには、心理描写の深掘りをすること。

 最後まで読んで、ズキンと胸の奥がうずくような、そういう作品が好まれています。


 カクヨムから参戦する人は、まずカクヨムでウケる作品傾向をいっさいがっさいリセットすること。カクヨムで人気の作品は妄コンでは落ちると思ってください。


 とくにエロ厳禁ですから。

 カクヨム的にはサービス描写なんだろうけど、ストーリーに関連のないイチャイチャとかラブシーンとか、ムダに入れこんでる人いましたが、これ出た瞬間に落選決定です。


 ラブコメで上位入賞した人を、少なくとも僕は見たことないです。


 エブリは編集さんも読者層の多くも女性です。なので、男性読者ウケは足かせにしかなりません。いさぎよく捨てましょう。逆に女性ウケを考えるべき。


 ちなみに僕が大賞とった作品は、けっこう選評、ひどかった。

『ストーリーはちょっとした読み物ですが、キャラクターが魅力的でした。このキャラクターで続編が読みたい』みたいな。


 いやいや、8000字で本格ミステリー書くの大変なんだからね( ;∀;)!


 つまり、この作品はキャラクターの魅力一つで大賞をとった。

 知ってます。知ってます。ワレスさんが女性ウケするキャラだってことは。ジョスリーヌのことも褒めてあったな。二人の関係性がいいって。


 なので、まず、女性好みのキャラクター。女性の好きなシチュエーション。女性にウケる萌え。そして人物描写のしっかりしたヒューマンドラマ。

 これが大事。


 あとはですね。

 やっぱり、本気で入賞したいなら、たまには入賞作品くらいは読むべきだよ。できれば毎回。

 どんな作品が選ばれるのか、読んでみれば、おのずとわかるので。

 なんというか、似たふんいきというか、傾向がある。

 文章力にちょっとした差異はあるけど、いい作品が多いです。


 この前、結果発表された〇〇前夜、入賞三作読んだけど、どれも読みごたえのある作品でした。今回はとくに水準高かった。甲乙つけがたい。


 どの作品が好きかはそれぞれの好みだろうけど、僕は青春ジャンルの作品が好きでした。青春特有の葛藤が8000字のなかにギュッとつめこまれて、甘酸っぱい。ヒロインはあの心境に到達するまでに、たくさん泣いたんだろう。でも、すべてが最後にはちゃんと昇華されていて、切なくもあったかい。感動しました。


 何度チャレンジしても結果が出ない。自作のどこが悪いかわからないという人は、今回の三作、ぜひ読んでみてほしいです。


 で、常連になるにはって話でしたね。


 けっきょくのところ、入賞する人は心情描写がうまい。人間観察が優れてるのか、はたまたご本人の精神が成熟してるのか、その両方なのかはわかりませんが、そういう描写が得意な人は、別の話を書いても、やっぱりうまいんですよ。だから、何度でも賞をとりやすい、と。


 妄コンで常連になるなら、心理描写をみがこう!


 あと、以前からそうだったけど、ネタの斬新さ。

 テーマの使いかたは以前より薄くてもよくなった気がします。ただ、ほかとかぶらない独自のストーリーが、以前以上に求められてる気がします。


 そこで大事なのは、ほかの人とかぶらないネタの発想法。

 長くなったので、これについては次回。

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