第55話真奈美画伯

しかしながら使うフルーツの原価は安い為週一回は必ず出る料理でもあり、そして一回作れば三日間はコレが続く。


当然みかんは缶詰であり、他にもパイナップルの缶詰が入る場合もある。


一個一個は百円前後ではあるものの種類を増えればその分支払いも増えるのだが、敢えてフルーツの種類を増やすのには理由があり、缶詰の汁とフルーツでゼリーを作り、真奈美様のオヤツにするからである。


フルーツの汁に水と砂糖でかさ増ししてゼラチンと煮るめ、フルーツ一欠片入れている小さなお碗型の容器に注ぎ冷蔵庫に入れるだけで出来上がりだ。


偶にストロベリーミックスからも何個かランダムに入れてあげており、それが当たり扱いされていたりする。


因みに真奈美の一番のお気に入りはブラックベリーと意外と渋い選択である。


そして高城もこのフルーツサラダもどきマカロニサラダは美味しいと言うので二対一で私の分が悪いので普通のマカロニサラダは作れない状況である。


でもまぁ、真奈美がお皿を綺麗にペロリと平らげてくれるのを見るとそれはそれで作り甲斐もあり嬉しいと思ってしまうので結局の所真奈美の食べっぷり見たさに作ってしまうのだが。


そんな事を思いながら私はケチャップを取り出して真奈美と一緒にオムライスの上に絵を描いて行く。


真奈美のオムライスにはハートマークと言い張る何かと猫さんと言い張る何かが描かれておりナスカの地上絵と言われても納得出来そうな程の芸術性にとんでいる作品が出来上がっていた。


因みに私のオムライスの上にも真奈美画伯の絵が描かれており、真奈美のオムライス同様に周りにはハートマークと言い張る何かと、こちらには犬と言い張る何かが描かれているのだが猫も犬もどちらも同じに見えるのは気のせいであろう。


下手に突っついて真奈美画伯の火をつけてしまってはオムライスではなくてオムライス味のケチャップを食べる羽目になりかねないからであら。


因みに私はただケチャップの入っている容器を支えていただけなので真奈美画伯の絵には一ミリも私のセンスは関与していない事を言っておこう。


そんなこんなでコップに麦茶を注いで準備万端である。


本当は麦茶よりも緑茶派なのだがカフェインやカテキンを気にして避けていた習慣が癖づいており未だに麦茶が続いていたりする。


「はい、いただきますっ!」

「いただきますっ!!」


そして二人揃っていただきますを言うと、真奈美は真っ先にマカロニサラダを食べ終えた後オムライスを攻め始める。

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