最終話 オレ達の人生はまだまだ続くぜ!
数年後。
「よし! 今日はニンニク料理食ったから精気満タンだぜ魔王!!」
「まだ仕事中なんじゃけど!?」
新魔王軍総司令部兼人間界統治委員会と長ったらしい看板が取り付けられている城の中に魔王の声が響く。
「魔王様、歯向かう国の軍隊は勇者と潰してきたよ。これは各国からの白旗を宣言する書状だよ」
「魔法道具による円滑な連絡網も完成。人間界の統治に必要な人員配置も済んだんじゃが、ハンコ押してくれんかの?」
「ご長男とご長女のオムツ換え終わりました。ミルクも与えておきますね。眠たくなったら寝かしつけておきますね」
あれよあれよと魔王の仕事が片付く。
当初の予定では数十年単位で取り組むはずだった案件が吹き飛んでいく。
ーーー勇者パーティ、優秀過ぎるじゃろ。
厄介者扱いされていたのは優秀さからか。
人間達にとって凄い痛手だっただろう。
彼らはいつの間にか魔王軍の幹部を差し置いて側近扱いだし、有能過ぎて魔族側からの反発無し。
なんならこの勇者パーティを側近にして四天王にしちゃおうという案が出ている。
人類最高戦力の勇者と剣技なら勇者に匹敵する女剣士は魔王でなければ勝てないし、賢者はその知識と過去の経験からハイスペックな軍師兼若手の指導係になっている。
指導する若手を見る目がちょっと犯罪者寄りではあるが、YESロリータNOタッチの精神を身につけているのでギリセーフ。いや、アウトか?
聖女は見目麗しい少女から美女へと成長し、魔王軍の専属医として働いてる。彼女のおかげで血気盛んな魔王軍は常に健康だし、仕事が忙しい魔王の代わりに勇者との間に産まれた子の面倒も見てくれているので助かっている。
正直な話、勇者達がいない生活に戻りたくないくらいには貢献していた。
唯一の悩みといえば、魔王の伴侶になった勇者との夜の営みだ。
「もうすぐ終わるな! 先にベッドで待ってるぜ! 今日は寝かせないぞ!」
「うぅ……今日はというかこの所毎日……」
「だって魔王が魅力的で俺の好みで、世界で一番可愛いからな!」
「し、仕方ない奴じゃな……」
まぁ、それも満更嫌でも無いし、周囲が砂糖吐くくらいには甘いのだけど。
「愛してるぜマイハニー!」
「その呼び方をするな! ダーリン!!」
翌日。ベッドメイク担当のメイドに二人が怒られたのはまた別のお話。
馬鹿な勇者にパンツ見られた魔王のラブコメ
〜完〜
馬鹿な勇者にパンツ見られた魔王のラブコメ。 天笠すいとん @re_kapi-bara
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