第10話 妖精さんの提案
俺はお見舞いを終えたあとそのまま自宅に帰宅した。
今日は妖精さんが居ないため自分でご飯を作らないといけない。
「さて、流石になんか作れるようにならないとな…」
何がいいだろうか。初心者でも作れるようなメニューは…卵焼きか。
「流石に卵焼き位は作れるぞ!」
誰に向けて話しているのか分からないが早速チャレンジする事にした。
…10分後
「こ、これは…食いもんなのか?」
物の見事に焦げた。
俺は甘めの卵焼きが好きだから砂糖を入れたのだが…
「これが噂に聞く…ダークマターか」
圧倒的黒。言い方が厨二病見たいだが完全にそうなのだ。
「いや、見た目は悪いかも知れないが…俺は味で勝負をする派なんだよ」
さて、実食…。
俺は死んだ。何だこれは…口の中がシャリシャリする。苦いし、卵の殻が入っている。
「うん。俺には料理は向いていない事が分かっただけでも収穫はあった…」
俺が少し拗ねていると携帯に着信が入った。
ピッ!
「はい、神原です」
『あ!花園です!』
どうやら妖精さんからだった。
「あぁ、どうかしたのか?」
『お昼休みに話してた事で解決策が見つかったんですよ!』
あぁ、あのことか。
「アレか、聞かせてもらえるか?」
『はい!私と神原さんが友達だって皆に広めれば良いんですよ!』
…ほぉ。この子は俺に死刑宣告を告げている事を理解しているのだろうか?
「なるほど、考えは分かったが…その結果がどうなるか分かるか?」
『もちろんです!皆友達ならしょうがないって思ってくれます!』
さすがはファンタジー妖精。考え方もファンタジーだぜ。
「OK。花園さん、やっぱり俺が考えるから任せといてくれ」
『む!何か間違えましたか?』
大丈夫。君はそのままで居てくれ。
平和的考えは好きだから。うん。
「いや、そういう訳じゃないが花園さんにばっかり考えてもらうのは悪い気がしてな…だから俺も考える事にするよ」
どうやらそれで納得してくれたらしい。
『そうなんですね!やっぱり神原さんはいい人ですねぇ〜』
「ありがとう。で、明日は何時くらいに来るんだ?」
『今日と同じ7時30分頃ですかね。あまり早いと神原さんが大変でしょうし』
「分かった。龍吾さんにもよろしくと、伝えておいてくれ」
『はい!分かりました!では、失礼します』
「あぁ。おやすみ」
さて、どうしよう…。
妖精さんの言うとうり友達だと言ってみると…
(お前が妖精と友達だと!寝言は寝て言え!)
(妖精さんは皆の妖精さんだぞ!)
(お前幸せを独り占めか?)
(純粋に羨ましい…)
うむ、無理だな。うちの学校では最早妖精さんは神聖化されている。そんな存在に近寄るものがいれば…血を見ることになる。
「だがなぁ…。あ、途中で下ろしてもらえばいいのか」
そうだ、妖精さんを起こした後に俺は車を降りればいいんだ。
それなら大丈夫だろう。
「そうと決まれば寝るか…」
そして、俺は眠りについた。
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