第49話ピクニック

 春になるとお弁当を持って植物園に行きます。息子くんがまだベビーカーに乗っていた頃からの習慣です。

 よく行く植物園には芝生の広場があり木のテーブルと椅子が置いてあってゆっくり過ごせるようになっていて、息子くんが思いっ切り走り回れて、また転んだりしない限りは安心して遊ばせれるのも魅力であり、ママには緑の匂いと視界に入る自然が癒しの空間でもあります。擬似的とはいえ普段はコンクリートばかりの街に住んでいるので緑に触れる時間はとても貴重。

 朝からお弁当を作り、息子くんとママの飲み物を用意したらいざ出発。

 植物園は大きな池を囲んでぐるりと散策路が伸びています。息子くんにも「お花や木には触らない」「柵の中は入らない」「池に身を乗り出さない」の「三ない」を教えるのにも最適で一緒に歩きながらゆったりと時間を贅沢に使ってます。

 春は桜や菖蒲、芍薬に薔薇と初夏になれば蓮が、秋には秋桜が冬には運が良ければ猫柳に出会えたりママの癒しの散策時間が終わる頃に芝生広場に到着すると息子くんの独壇場。

 走る寝転ぶ走る転がる、好きなだけ遊んでもらいます。尤も小学校の中学年を越えた辺りからは走り回らずに一緒にぼんやりしてますが、それでもその時間は格別の贅沢を感じます。

 もうすぐ春なのでふと思い出していました。

 

 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る