第72話 受かると思う?
もうひとつ、前日譚。ちょっとだけ、真面目なお話ver.
わたしの
場所は、いつものリビング。
でも、いつもと違うのは、いつも渡瀬くんが無理やり座らされているところに、彼のお父さまが。そのため、わたしと渡瀬くんはその対面に、ふたりで並んで。そんなわけで、その場は緊張感に包まれている。
全員の前にお茶を置いた後で、お母さまもお父さまの隣に座った。
「
意味がわからず、首を傾げるわたし。
「ひなちゃんと同じ
イヤイヤ、どう思うって言われても……。正直言って嬉しい。渡瀬くんは、わたしと一緒にいてくれるって考えてくれたんだろう。
でも、自分の将来をそんなことで選んでほしくはないんだよなぁ。
そんな、わたしの考えを、彼のご両親に伝える。ふたり共に頷いてくれた。
「じゃあ、ちょっと現実的な話をしようか?」
彼のお母さまが、そう言って、わたしに一通の書類を見せてくれた。渡瀬くんの模試の結果だった。う〜ん、悪くはないけど、ずば抜けていいわけでもない。でも、ここに記入されてた大学は、かろうじて安全圏には到達している。もっと確実性がほしいところだけど……。
「今のこの子の成績で、ひなちゃんと同じ
返事を渋るわたしを見て、ご両親共に理解してくれたみたいだ。
これは、わたしと
捻りもオチもないけど、
わたしが、模試のために記入した大学名を聞いて、お母さまは驚いていた。お父さまは天を仰ぎ、当の本人、渡瀬くん、表情が抜け落ちてた。
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