第3話
それだけは許せない
亀田榮子(えいこ)は大手ガス会社の
受付嬢をしていた。
仕事はニコニコと客たちに愛想笑いを
振り撒き、諸々の案内をするだけ。
とても満足の行くものとは言い難かった。
「ねぇ、いい男いないわねぇ」
同僚のマチコが榮子にそっと🦻耳打ちした。
「本当。まるでイケメンたちが申し合わせ
をしてこの会社に来ることを拒んでい
るみたい」
榮子がそういうと、二人が同時に笑った。
その時、一人の来訪者があった。
「人事部の上坂さんをお願いします」
不川(ふかわ)、というその男は低くよく通る声で
榮子にそう頼むとスーツケースをカウンターの
上に放り投げるように置いた。
榮子は即座に恋に落ちた。
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