第321話 ステータスの再々確認を2
ミナトはステータスが表示されているプレートの【保有魔法】に触れた。先程と同様に画面が展開される。
闇魔法 Lv.MAX:
転移魔法
眷属魔法
収納魔法
重力魔法
「やっぱりきちんと増えている……。眷属魔法に
思わずそう呟いた。アウトローな星の話に出てくる銃弾を思い浮かべてしまったのは秘密だが、とにもかくにもミナトは以前も見た闇魔法の部分から触れて情報を展開することにする。
【闇魔法】
全てを燃やし尽くす地獄の業火を呼び出します。着火と消火は発動者のみ可。火力の調節は自由自在。ホットカクテル作りやバゲットの温め直しなど多岐にわたって利用できます。素敵なアイリッシュコーヒーがお客様を待っている!?
【闇魔法】
ありとあらゆるものが拘束可能である漆黒の鎖を呼び出します。拘束時の追加効果として【スキル無効】【魔法行使不可】付き。飲んで暴れる高位冒険者もこれがあれば一発確保!
【闇魔法】
至高のデバフ魔法。対象の能力を一時的に低下させます。低下の度合いは発動者任意。追加効果として【リラックス極大】【アルコール志向】付き。お客様に究極のリラックス空間を提供できます。
【闇魔法】
全ての音や生命反応を感知不能にする透明化に加えて
「この闇魔法はすべて受け入れる。この魔法はおれにとって必要な魔法だ。料理にも使えるし随分お世話になっている」
相変わらず【闇魔法】破格の性能を伝えてくる。様々な場面で役に立ってきた【闇魔法】は既にミナトにとってなくてはならないものだ。
さらにミナトは転移魔法の項目に指で触れる。
【転移魔法】
眷属の獲得という通常とは異なる特異な経緯から獲得された転移魔法。性能は通常の転移と同じ。転移元と転移先の双方に魔法陣を設置することで転移を可能にする。転移の物量および対象に関して様々な条件化が全て術者任意で設定可能。設定した条件を追加・変更することも可。魔法陣は隠蔽することも可。
【転移魔法】
眷属の獲得という通常とは異なる特異な経緯から獲得された転移魔法。魔法陣を使用することなく眷属を召喚することが可能。当然、送り返すことも可。建造物等がある場合しっかりと避けて召喚・送喚するのでそういった点は心配無用。
「これもすごく役に立っている。今回も運命を受け入れよう……」
自信を納得させるかのようにそう呟く。そうしてミナトは眷属魔法の項目に触れる。
【眷属魔法】
極めて高位の眷属を従えるという類稀な偉業を達成したことによって獲得された眷属魔法。眷属化した存在を強化する。眷属を確認して自動発動。強化は一度のみ。実は強化の度合いが圧倒的なので種を超越した存在になる可能性が…。
【眷属魔法】
極めて高位の眷属を従えるという類稀な偉業を達成したことによって獲得された眷属魔法。レッドドラゴンを眷属化したため取得。
【眷属魔法】
極めて高位の眷属を従えるという類稀な偉業を達成したことによって獲得された眷属魔法。ブルードラゴンを眷属化したため取得。
【眷属魔法】
極めて高位の眷属を従えるという類稀な偉業を達成したことによって獲得された眷属魔法。アースドラゴンを眷属化したため取得。
「おれ……、身体強化使って大丈夫なのかな……?」
身体強化魔法が大幅に強化されたようだが、気軽に使ってはいけない魔法になった気がするミナト。
「これはちょっと訓練が必要かもしれないわね。でもミナト、大丈夫よ。人族を超えたら使いたい放題だから♪」
ステータスを覗き込んでいるシャーロットがとびっきりの笑顔でそう言ってくる。シャーロットの笑顔はとても美しいのだが今はステータスが気になってその笑顔を十分に堪能できないことが残念である。
『いつかは人族じゃなくなるのか……。何になるんだろ?超越者とか?亜神とか?そんなに上手くはいかないのかな?』
ふいにそんなことを思うミナトだが今はそれについて深くは考えないことにする。この世界をシャーロットたちと楽しむことにしたのだ。これが運命なら受け入れる覚悟はできている。
「うむ。だがアースドラゴンをテイムするとそのような魔法が使えるようになるとは知らなかったがな。そもそもアースドラゴンがテイムされることがおかしいのだ」
「ん。テイムについてはボクも聞いたことがない!」
「そうですね。アースドラゴン様を圧倒したあたりから全てのことが前代未聞の出来事と言って差し支えないかと……」
デボラ、ミオ、オリヴィアの三人はそんなことを言っている。
「あははは……」
その点に関しては乾いた笑いしか出すことができないミナト。
「ミナト!まだ次があるでしょ!はやく、はやく!」
シャーロットに促されて我に返ったミナトは心を強く持ってもう他の魔法が表示されている項目に触れた。
【収納魔法】
時空間に作用し、アイテムの収納、保存を可能にする術者が管理できる亜空間を作り出します。アイテムを出し入れするゲートは術者を中心とした半径二メートル以内で任意の場所に複数を設置可能。時間経過なし。意思・意識のある生物に関しては収納に本人の同意が必要、ただし亜空間内は快適ではないのでご注意を。亜空間はとても大きいのでご自身でのご確認をお願いします。ちなみにゲートから武器を射出するような運用も可能だったりします。かなりの威力です。攻撃もできた方がカッコいいでしょ?
「これもとても役に立っている魔法だ。本当に便利!使えるようになってよかったよ。でも問題は次だよね!」
そう言ってミナトは新しく表示された魔法の項目に触れる。
【重力魔法】
対象に作用している重力を操作します。軽くしたり、重くしたりと対象の動きを阻害することが可能です。生物、無生物関係なく作用させることが可能。岩に突き刺した剣にこの魔法をかけて伝説の聖剣(偽)なんてことも可。
【重力魔法】
攻撃系極大重力魔法。触れた者だけに作用する小型で超高質量かつ超重力の物質を高速で放ちます。触れた者はその物質に飲み込まれ二度と出てくることはできません。生物のみに使用可能。ある程度の質量がある無生物や他の魔法が触れた場合、何ごともなく消滅するので遠距離からの使用には注意が必要です。躰に纏った結界や衣服でも消滅するので必ず直に当てられるよう使用しましょう。
その表示内容にミナトの表情が強張る。じっくりと内容を熟読して……、
「……えっと、
後半は軽い絶叫になっている。
「どれどれ……、うわ……。何かもの凄い魔法を会得したわね……。
『
シャーロットの言葉を聞いてドラゴンを探すRPGの魔法を思い出すミナト。でもあれは光の彼方へ消し去る魔法で重力の彼方に引きずり込むのとはちょっと違う。だいぶこちらの方が物騒な感じがするミナト。
「うむ。魔物相手には無敵ということだな!」
「ん。それでこそマスター!」
「ええ。素晴らしいことです!」
デボラ、ミオ、オリヴィアが頷きながらそんなことを言ってきた。その真意とは、
「それでこそ真なる魔王だ!」
「マスターこそ真なる魔王!」
「真なる魔王の降臨に祝福を!」
ということが言いたかったらしい。
「魔王じゃないです……」
そう呟いて心の中で涙を流すミナト。そんなミナトの腕にシャーロットが優しく自身の腕を絡めてくる。
「でもかつての魔王よりは圧倒的に強いことは事実だと思うわよ?」
その笑顔と腕に感じるシャーロットの魅力は最高だが、言われた内容に心の涙が止まらないミナトであった。
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