第268話 物件探し
こちらに呼ぶ人選はアディライトに全て任せ、リリスの説明を受けた新たらしく家族となった子達の強化を始める。
思っていた通り、リリスは全員の欲しいスキルの要望まで聞いてくれていた。
さすが、リリスである。
「ーーーでは、始めましょうか。」
「「「はい、よろしくお願いいたします、ディア様。」」」
一斉に跪く、皆んな。
「・・・ねぇ、リリス?」
半目を満足げに微笑むリリスへと向ける。
ーーー・・また、何をした!?
「もちろん、当然の事を全員に教授したまでです。ふふ、皆素直にディア様の凄さを理解してくれましたよ。」
得意げである。
・・うん、皆んなを新しい信者にしたのね。
この短時間で恐ろしい。
「・・はぁ、皆んな、そんな風に跪くのは止めて?嫌いなの、それ。」
呆れるしかない。
人の跪く姿を見て喜ぶ趣味は、私にはないから。
「ディア様の仰せのままに。」
「何て、慈悲深い!!」
「まさしく、女神です!!」
感動しだす皆。
だから、どうして止めさせたら、全員からの大絶賛になるの?
・・どうして、こうなった!?
涙目で感動し出す皆んなに、たじろぐしかない。
「・・あぁ、うん、もう始めようか。」
気にしたら負け。
平常心。
そう、何も考えずに無になるのよ、私!!
「ーーーお、終わった。」
念仏の様に心の中で何度も平常心と唱えながら、何とか全員の強化を終わらせる。
精神的に疲れたよ。
「これが、至高の君のお力の一部!!!」
「っっ、感激です!!」
「ディア様の名に恥じぬ様、これからも精進せねば!」
皆んなは元気なもの。
涙を流す子がいるのは、見なかった事にする。
「では、皆んなはルーベルンの拠点に行ってもらうから。あちらでは、ロッテマリーとルルーシェルの2人の言う事をよく聞いてね?」
「「「「はい!!」」」」
全員が頷く。
転移で全員をルーベルンの拠点に向かい、ロッテマリーとルルーシェルの2人に後の事を任せ、オリバーと数人の子達を連れて戻って来る。
「食事にして一息ついたら、物件の下見ね。」
無事に全員をルーベルンの拠点に送り届け、オリバーたちを連れて来た私は、ソファーに座り、溜め息を1つ。
やる事は山積みだ。
「ディア様、お疲れでしたら私達で物件の下見に行って参りましょうか?」
気遣うディオンに微笑む。
「大丈夫。物件は自分の目で見たいから一緒に行くよ。」
皆を信用してないんじゃない。
ただ、物件を見るのが好きなんだよね。
「では、ディア様は食事を食べて英気を養って下さいませ。皆にスキルを付与して、お疲れなのですから。」
「うん、そうするよ、アディライト。」
泊っているのが高級な宿だけあって、用意される食事はとても美味しいし。
たくさん食べて、力をつけますか!
アディライトに頷き、食事の用意をしてもらう。
・・・私は一切、皆んなに何もさせてもらえないからね。
「こちらが、ご要望の物件となります。」
食事を済ませ、物件の内見へ。
不動産の担当職員が、物件の鍵を開ける。
「どうでしょう?中はとても広く、工房としても直ぐにでもお使いになれますよ。」
説明を受け、物件の中へ。
じっくりと室内の中を見て行く。
「ふむ。」
工房として使われていたこの物件は、まさに私達の希望通りと言えるだろう。
最有力候補として、他の物件へ。
リリスのオススメする3つの物件を見て回る。
「いかがでしたでしょう?お客様が気に入りました物件はありましたでしょうか?」
「一通り見たけど、最初の物件が私は良かったかな?」
どの物件も良かったけど、最初に見たのが私は一番気に入った。
「ルミアはどう?」
一緒に見て回っていたルミアに視線を向ける。
ルミアが一番使う工房になるんだし、意見を聞かなくちゃ、ね。
「私も、最初の物件が良いかと。」
「ルルキは?」
「僕も最初の物件で文句はありません。」
「なら、決まりね!」
ルミアとルルキも気に入った様だし、この物件で決まりだ。
早速、この物件の購入へ。
こんな時に、貯まる一方のお金を使わないとね。
「ふふ、工房ゲット!」
無事、購入の手続きを済ませた私達は、物件の権利を手に入れた。
さて、物件は手に入ったし、工房としての登録をさっさと済ませて、大会への申し込みをしますか。
足取り軽く、ギルドへと足を進め、手続きを終わらせる。
「次は、大会への出場をエントリーして、工房に必要な物を色々と購入だね。」
妨害される前に大会へのエントリーを済ませてしまう。
その後に、買い物へ。
元工房だった為か、ほとんど必要な物が揃っていたから、足りないのだけ買い足す。
ルミアとルルキの意見を元に、必要な物を買い揃えていった。
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