或る独白_(02)
ヒトとは何か。
死とは何か。
文明とは何か。倫理とは何か。
長き悠久があった。
その世界は凪のように穏やかであった。
春の日向じみた
不快がなく、心地よさだけがあった。ゆえに
必要性のない思考が、それでも時折言葉を紡いだ。
ヒトが言葉を発見しそれを洗練するのに必要な
そもそもが未熟限りなく、更には「様々なヒトたちのため」にある言語を捨てて、
その時点で
知っている全ての文学は、未熟であった。
表現が不足し、語彙が不足し、自由度が不足し、ルールに粗が多い。
そんな未熟な言語で描写された文学は、つまり未熟である。
先人たちが血反吐を吐いて生み出した数多の文学は、この世界の真理のたった一片すら描けてはいない。
それは、当然の事でもあった。先人どもが未熟な言語で削り出した真理など、
この世界にはまだ未知がある。世界を、
世界が変わる。
世界が変わる。
更新されていく。
見えなかったものが、暴かれていく。
この時点で
言葉も、哲学も、倫理も、数学も、何もかもが更新された世界で、
その後、更に悠久を経て、
猿が、霊長を名乗り始めた。
高度に独自化した言語/倫理/哲学/数学を持つ
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