サキュバス、黄鶴楼にて上司の恋路に之くを送りました23
「……ムー子お前、なにやってんの?」
「見て分かりませんかピカ太さん? ボンバーマンです」
そうじゃねぇよ。
「ムー子……」
「あ! 課長! 聞いてくださいよ! 先日マリちゃんとこのボンバーマンで対戦した時こっぴどくやられちゃいまして”昔のゲームなら勝てると思った?”とか舐めた口きかれちゃったんですよねぇ! 今度説教しておいてください! 大人を舐めるなって!」
人生舐めてる奴の台詞じゃねぇしこの状況でよくそんな事言えるよな。なんてたってお前、ゴス美の顔が……
「ま、そんなわけで今秘密の特訓中ってわけなんですけどね! いやぁ見てくださいよ私の白ボンのセクシーな事! 今日も今日とていい動きです!」
「……ムー子」
「はい! なんでしょうか!」
「お前、赤ボン好きだっけ?」
「え? どっちかというと白ボンの方が……」
「好きだったよなぁ? 赤ボン」
「え……あ、はい……好きです……赤ボン」
「そっか……じゃあ、なっちゃうか。赤ボンに」
「え? なに? なにを言ってるんですか課長?
「お前が赤ボンになるんだよ。まぁ赤ボンっていうか……血だるまボンだけどなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
すげー早さで殴打してて拳が見えねぇ。これが瞬獄殺か。エグイなぁ。でもこれ大丈夫か? みるみると部屋が血まみれになってくぞ。別途クリーニング代かかるんじゃねぇ?
「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてお前は毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回仕事ができないばかりか邪魔ばかりして私の手を煩わせるんだぁ!? 生きてる価値あんのかてめぇ!? なんで生きてんだぁ!? 恥ずかしくねぇのかいい歳して無駄な仕事製造機なんかやっててよぉ!? 死ねよ! 潔く! お前が生きてるだけであらゆる物資が被害被ってるって分かってっかぁぁぁぁぁぁぁ!? あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「わ、分かりますぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
「分かってねぇだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 分かってねぇからやらかしてんだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「すみませぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!」
「すみませんじゃねぇよ申し訳ございませんだろうがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? あ、お前、なんだよこの肌にできた腫れはぁ!? 蚊じゃねぇかよぉ!? 完全に蚊に血吸われてんじゃねぇかよ! なに吸われてんだよ! 蚊に申し訳ないと思わねぇのかよ!? 血を吸わせてしまってよぉ!?」
「思いますぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
「ならまず謝れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! 蚊にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
「蚊様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁこの度は私の穢れた血液を吸わせてしまい大変申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
俺、これまで生きてきて蚊に謝ってる奴初めて見たかもしれん。
「だいたいよぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! なんでお前いんのここにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!? 部屋番どうやって突き止めたんだよぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉ!?」
「はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! 課長とピカ太さんがお食事すると聞きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ”あ、課長の事だからこれ、部屋とってるな?”と確信しましてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! お食事の時間を見計らってホテルに電話しぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ”あ、すみません本日そちらに宿泊しております鳥栖でございます。申し訳ございません。同室に宿泊する者に鍵を渡したのですが、部屋番号を忘れてしまって……はい。はい。あ、ありがとうございます”といった具合で部屋を割り出しぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ後は従業員を誘惑して合鍵を貰いましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「こんな時だけ無駄に知恵働かせてんじゃねぇぞごらぁ! というかお前誘惑してんならその時に部屋番聞けばよかったじゃねぇかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「すみまぁせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん! なんかスパイ映画みたいだなって思ったら急に面白くなってきちゃってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
面白くなってきちゃってで即犯罪スレスレの行為に手を染めれるムー子の行動力だけは凄いしこの状況でそれが言える精神力も只者じゃねぇ。全然羨ましくないけど。
「で、理由は?」
「はい?」
「はいじゃねぇよ! なんでわざわざここに来たのかって聞いてんだよ!?」
「あ、はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
「だからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! はいじゃねぇつってんだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!? 聞いてんだよこっちはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? 分かるか日本語ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!? テメェの少ない脳みそで理解でできてるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「かろうじてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
長くなりそうだなこれ……しゃあない。ボンバーマンでもやって待ってるか。
テッテレレレレ
テッテレレレレ
テッテテレレレレテッテッテ
ショウブダ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます