作品サンプルまとめ

滝みゅぅ

僕たちは夢を見る

僕たちは夢を見る

叶うことのなかった夢

諦めてしまった夢


それらはやがて溶けてゆく

海に、光に、土に

沢山の残された夢が

世界には散らばっている


ーーーーーーーーーーーーーーー

◇嫌いなあいつと僕の関心事/p20


嫌いなあいつが死んだ

毎日僕の机に死ねという二文字を

書いてはそれを見て雑巾で拭く僕を見て笑う

あいつが死んだ

僕には関係ないけど

むしろ清々しいね

関係ないね

あいつの事を考えると心拍数が上がる

胸が締め付けられる

あいつの事を考えると

涙が止まらなくなる

歯を食いしばってしまう

僕には関係ないけど

あいつがいなくなっても関係ないけど

他人でないようで

赤の他人の僕とあいつは

ただの他人なんだ

毎日涙が止まらないなんて

あいつは知らないし

知ってほしくもない

ただ清々しいんだ

そのはずなんだ

嫌いなあいつが死んだって

僕には関係ないけど

僕には関係ないけど


ーーーーーーーーーーーーーーー

◇旅の思い出/p32


はち切れんばかりの

黒いリュックを背負って僕は旅をした

初めて見知らぬ土地に来たときは

地図を見ても何もわからず

とにかく食料を調達した

街中では沢山の人が行き交い

きょうもぶつぶつと一人言や

楽しい笑い声が聞こえてきた

砂漠では街中では見られないであろう

美しい星空を見ることができた

海辺ではのんびりとボートをこぎながら釣りをした

川では足を水につけながら川魚を焼いてかじった

また街中に戻ってきた時

僕はなんて明るい世界なのだろうと思った

街灯が彼方此方にともり

沢山の人が行き交う

自然を渡り歩いてきた僕は

何故か寂しさを感じてしまった

どうして文明が発達し

満たされているはずなのに

人々はこんなにも下を向いて歩いているのか

どうして毎日毎日働き続けても

幸せが得られないのか

どうしてこんなにも

ーーーーーーーーーーーーーーー


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る