第449話 先ずはこの時代にいた場所を確認しないと
初めて本体戦をした帰りは、
最悪の場合は
それにまだ何があるかが分からない。というか、微妙にそれに期待していたんだよな。
何も起こらなかったけど……。
だけど今回はそういった事は一切関係ない。
一直線に目的地に行って、地上から穴を開けて
問題は奴が何処まで回復しているかと、制御アイテムがもつかの問題だが……やるしかないだろう。最初から、どんな時代に飛ばされてもやるつもりだったんだ。
むしろ今は、こちらにとってまだ有利ともいえる。
あの時は2ヵ月半程掛かったが、今回は3日とちょっとだ。
本当ならもう半日短縮できたが、無理矢理にでも休んだ。
ここで俺たちがやられたら、全てが詰んでしまう。
睡眠はあまり必要無くても、精神と肉体は疲労してしまうからね。
「さて、ここから穴を開けてはいるわけですね」
「そういうことだ。あいつはあの後で一度離れたが、またこの周辺の巡回を始めている。そんな訳で、ここから侵入だ」
まあとっくに逃げて相当離れてはいるだろうがね。
今頃、
本体戦以来、粗末ながらも通信機の所持は必須にしたが、マジでこの頃は全く整備されていない。実に不便だ。
もう彼女とも連絡が取れないから、状況は全く分からなくなってしまった。
せめて
「では行こうか」
「準備は出来ていますよ」
地面に穴を開け、
その瞬間に、立ち込めるように湧いてくる奴らの気配。大移動の間最中だな。
さて、集団に守られているのか、それともあれは囮か……そもそもの思考が違うのだから読み合いなんて意味はないが、それでも考えてしまう。
ある程度は常識に乗っ取った行動をするやつだしな。
だけどそんな事を考えている間に、とっくに
少しは考えるって事をして欲しい。
もっともあいつに言わせれば、俺が考えすぎなんだけどな。
「さてと、それじゃあ行きますか」
俺の予想が正しければ、これで倒せば次がラストだ。
いわば前哨戦。ここまで苦労してきながら、こんな所でやられてなどいられないぞ。
こうして、俺も穴の中へと身を投じた。
▼ 〇 ▼
下では既に
そこに群がる奴の同類たち。
狭い岩だらけの
前の時もそうだったが、あのハスマタンの壁を平然と登っていたんだ。この位の芸当は可能だろう。
だけどまあ、こんな雑魚に構っては入れらない。
スキルを使い、周囲5キロメートル程の雑魚を一掃する。
命を外され、まるで殺虫剤を掛けられた虫の様にぽとぽとと落ちてくるのは見ていて不気味だ。
「こんな物に構わなくて良い。お前の力は眷族や本体の為に温存してくれ」
実際、今の範囲だけで死なない奴が2体いた。
やはりラーセットが襲われた時よりも編成が濃い。
「了解しました。ではここからどちらへ?」
そうだな……眷族の居場所は参考にしなくて良だろう。それより今は――、
「大体逃げた方向は予想がつく。そこへ行くとしよう。取り敢えずあっちだ」
「では雑魚は任せます」
そう言って、
今はまだ制御アイテムがあるから口調は丁寧だが、中身はやっぱり
先ず向かった先は、この時代に奴が潜んでいたセーフゾーン。
もういない事は分かっているし、眷族が残っている可能性もある。まあそんな余裕は無いとは思うが。
いくら過去に戻るというチート持ちの相手とはいえ、ワープできるわけではない。
とっくに逃げているとはいえ、スタート地点はそこで間違いないんだ。途中で出会う事に期待して候補ルートの一本から入ったが、残念ながらこちらは外れの様だしな。
行っておくのも損にはならないだろう。
ただあいつ、浮かんで移動するんだよな。しかも結構早い。
実際、前回は距離が離れすぎて見失ってしまった。
足跡も残さないから、本当に大変だ。しかももうとっくに数日が経過している。見つけるのは難儀だが、ここで見失ったらここまでの全てがパア……という訳でもないか。もう召喚者から死人は出ないのだからな。
フランソワと
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