【 まさかの人物 】

第398話 端数だがそろそろ召喚しないとな

 そこから更に5年が経過し、第19期生の10人が召喚される事になった。

 内訳としては、一人は命を落としたが、6人は日本への帰還を希望した。

 それだと数が合わないが、実は7人が生死不明である。

 言うまでもなく千鳥ちどりのチームだ。


 彼女のチームは持尾介司もちおかいじ丹羽静雄にわしずおの二人を教官組としてもらったが、あいも変わらず残った7人は自由気ままに迷宮ダンジョンの旅だ。ハッキリ言って、もう何年も姿を見ていない。

 ただ時折、迷宮ダンジョンの町に成果を置いてまた旅立ってゆく。

 その成果が大きすぎるため、誰も文句を言えない状態だ。

 3年ほど前に送りつけて来た財宝は、他の召喚者とは質も量も比較にならないシロモノだった。

 同じ物を持って来いと言っても絶対に無理だろう。それ程に深部で極稀に発見されるような貴重遺品ばかり。

 あんなものを見せられてしまうと、どのチームも黙るしかない。

 そんな調子なので、誰も彼女たちに鈴をつける気はないわけだ。


 まあ俺も緊急時以外は自由気ままにやってくれと言った手前何も言えないが、連絡が付く場所には居ろと言った覚えがはあるんだけどな。

 だけど奴の本体と戦う時には救援に駆けつけてくれた。何らかの手段はあるらしい。

 一方通行だがな!


 まあそんな訳で、7人のロスをいつまでも放置できないため召喚となったわけだ。

 だったら7人で良いと思われそうだが、10人と決めたのはケーシュだった。

 彼女もロフレと一緒に既に退職しているが、こういう時の権力はまだ健在だ。

 一応、激動の時代を生き延びて更に発展させたわけだからな。本人が偉ぶらなくても、周りが勝手に持ち上げている状況だ。

 実際、これで8人以上が召喚されたら何かあったという事だ。

 現状を考えたら、決して悪い事ではないか。


 今回の立ち合いは、召喚者のマーシア・スー・アディン。

 俺を召喚したミーネル・スー・アディンの双子の娘の姉の方。

 長い白とも銀とも言える美しい髪を腰まで伸ばし、螺旋状に束ねている。

 衣装はこの世界の神官長らしく、白のチューブトップのブラにギリギリ下が隠れる前垂れ。

 左右の太腿からは、同じ白色の紐が見える。言うまでもなく紐パンの紐だ。

 これで金細工を施した美しレリーフが無ければ痴女の様だが、あっても似たようなものとか言うなよ。


 かつては抱っこをせがんでくる可愛らしい子供だったが、今ではもう28歳。すっかり美人になった。

 清楚で控え目な所はミーネル譲りで、もう既に結婚相手のリストは山と積まれている。

 ミーネルの時よりも婚期が遅れているのは彼女のせいではなく、ミーネルの時が早かったんだ。

 あの頃は、とにかく産めや増やせやでラーセットの再生が優先されていたからね。

 とはいえそう遠からず誰かが選ばれるわけだが、そこに彼女の意思は関係ない。

 俺の常識としては引っ掛かるが、この世界の常識に口を出しても仕方あるまい。


 召喚も2回目で、慣れたものだ。

 先代のクナーユは正直ぎこちなさが取れなかった。聖堂庁は血縁で構成されるっていうのも、なんとなく分かる。

 それ以前に、彼女は子供の頃から英才教育を施されていた訳だしな。その点は、正式な引継ぎまでの代理であったクナーユとは違う所だ。


 他に召喚者から、3チーム5人が参加してもらった。

 先ずは風見絵里奈かざみえりな児玉里莉こだまさとり

 彼女たちに関しては、もうあまり説明はいらないだろう。

 といっても、児玉こだまは教官組ではない。あくまで俺の護衛官だ。


 風見かざみはいつもの様に魔女風の帽子に黒いビキニの上下。胸はささやかだがある事にはある。

 ちょっと表情が読めないポーカーフェイスだが、童顔ながら美人。それに腰までの黒い艶やかな美しい髪。更には召喚者として大ベテランという事もあって、他の召喚者からの人気は高い。


 児玉こだまは送還した時と同じ。まあ向こうでの時間は経過していないのだから当然か。

 前髪の長いショートカットだが、目は隠さず前髪はきちんと左右に分けてある。

 こちらは児玉こだまと違ってあまり高校生らしくは無く、大学生と言っても通じそうなほど大人びている。

 言うまでもなく美人だが、召喚に俺の好みは関わっていないのだから偶然だ。


 服装は今も昔も変わらない、タイツの無いバニー風衣装。

 ちなみに胸が平らに近いので上から見ると覗けそうだ。

 風見かざみが言うには下には何も付けていないそうだが、さすがに覗いたら変態だろう。

 いくら肉体関係にあると言ってもな。

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