『腹黒』

「可愛い。愛してる。結婚して」

可愛らしい素振りであの手この手を張り巡らす主様は、確かに腹黒いのだけども。

「それは私の責務ではありません。それよりお役目を…」

諭す程に時々わからなくなる。

私で釣り上げて彼を操ろうとしている兄君こそが真打ち。

私は一体どなたの従僕と言えるのだろう。

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腹黒様も恋は盲目。

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