第25話、勇者覚醒?
ゴゴゴゴゴっと地響きが大きくなります。
「来たぞ!」
「十分引き付けて撃つんだ!」
先生と団長さんの指示が飛びます。
塀まで100m
ドドドドドッ!
50m
ドドドドドッドドドドドッ!
30m
「今だ、撃て!」
バシュッ!バシュッ!バシュッ!
ギエー ブモー
先発隊50人の鉄球が飛び、魔物の鳴き声があがります。
『アイスアロー!』 『ファイアランス!』
シュン! シュン! ゴー!
ギエー! ギュー!
魔法師も負けじと魔法を放ちます。
先頭集団が鉄壁に激突し、エフェクトを残して消えていきます。
鉄壁はかすかに振動しましたが、問題ありません。
10分撃ったら射手は前後で入れ替わり第二陣が弾を放ちます。
バシュッ!バシュッ!バシュッ!
私は大五郎の命綱を外し、下に降ります。
第一陣は下に降りて20分休憩です。
入れ替わりに第3陣が要壁に上がります
二順目の攻撃の時には、30%ほどの魔物が消滅していたように見られます。
スリングショットと魔法、長槍の攻撃を繰り返し、4回目の攻撃が終わると残り数十体まで減りました。
「よーし、直接攻撃に移行する。
該当者は門の前に集合せよ!」
門が解放され、領兵団と道場のメンバーが出撃します。
私もそちらに加わりました。
剣や槍、鉄棒など、各自が得意とする獲物を持っています。
私も2mの剣を持って出ます。
先生は二刀流です。
あらかじめ振り分けられた5人組で魔物に挑みます。
私が目をつぶし、二人が足を払い、二人がとどめを刺します。
先生は単独で魔物に対しています。
と、三匹目の魔物に対したときに一人がバランスを崩し転んでしまいました。
そこへ魔物が突進していきます。
手を差し伸べた私も咄嗟のことで対応できません。
ほかの三人がフォローに入りますが、一旦乱れたフォーメーションでは魔物を止められません。
これは詰んだかなと呑気に考えていると、銀色の筋が一閃し魔物の頭を射貫きました。
射線をたどると、壁の上で仁王立ちの大五郎がいました。
「だい……」
大五郎はその場で頽れます。
「大五郎!」
「大丈夫。気を失っただけだ」
壁の上にいた人が教えてくれます。
ちょうど先生が最後の一体を仕留めたところだったので、メンバーに断って大五郎の元に駆けつけます。
男の人が大五郎を抱いて降りてきてくれました。
「褒めてやってください。
すごい集中力でしたよ」
意識を失ったままの大五郎を抱いて、何度も……何度も、ありがとうと伝えます。
こうして、魔物暴走は無事に終わりました。
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