第498話 バスケかサッカーか
スポーツといえば、何か?
そう聞かれると近代的な現代社会の皆々様からは色んな答えが聞けると思う。
正直、スポーツといってもパッと思いつくだけでも沢山ある。
それこそ最初の前世の頃なんかは数えるのもアホらしくなるくらいに多種多様なスポーツがあったが、今世で最初に流行ったのはバスケだった。
何回か言ってあったように、1人で遊んでいたら家族に見られて広まっていったという感じなんだけど、周辺国……特に我が故郷スレインド王国では代表的なスポーツになっている。
バスケ用の大きな体育館が作られて、ストリートや学園の体育の授業のみならず、プロの育成まで初めてそれなりに形になってきているあたり、流石だと思う。
言わずもがな、体を動かすことが大得意なラウル兄様を中心にレグルス兄様の巧みな計画でバスケが周辺国に広がる中、お隣のシスタシア王国ではサッカーがバスケよりも広く知られはじめていたりする。
理由はヘルメス義兄様がサッカーを気に入ったから。
スレインドでもサッカーは広まりつつあるけど、シスタシアほど大々的にはやってないのは、レグルス兄様やヘルメス義兄様が話し合った結果なのだろう。
まあ、単純にレグルス兄様がバスケ派、ヘルメス義兄様がサッカー派という感じでもあるのだが、それはそれ。
シスタシアでは大きなサッカーグラウンドが建てられて、プロの育成も順調で先日初の試合が行われた程だ。
俺としてもスポーツの試合の観戦はそれこそテレビ中継をチラリと見た程度しかないので楽しいのだけど、バスケもサッカーも1人遊びの延長から広まってしまったのは何とも言えない気持ちになる。
楽しければいいかな?
うん、そういう事にしておこう。
実際に体を動かすのも楽しいし、試合として見ても楽しめるしスポーツとは凄いものだ。
強いていえば、テレビ中継とかそういったものがないので生の試合を記録する術がないのが難点ではあるが……別にテレビ的なものを作れないこともなかったりする。
ただ、技術の発展を考えるとまだ早いと思うし俺自身まだ要らないので作るとしても当分先だろう。
何事も早すぎる技術の進化は弊害を生む。
今世では好き勝手やってる俺ではあるが、考えるところはちゃんと考える程度はしているつもりだ。
……多分。
マジで欲しかったらやらかすかもしれないけど、その時でもなるべく混乱を起こさないようにしたい所。
テレビはまだ時代的にも早いだろうし、やるにしても、テレビではなく試合中継をどこかの広間に流したりするくらいかな。
まあ、家族に提案されたらそれ系の魔道具とかも作るとしよう。
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