第147話 相変わらずの姪

「おじちゃまー!」

「ぐふっ……!」


城へと転移すると、年々威力の増してるタックルをかましてくるレディが一人。


言わずもがな、我が姪であるティファニーであった。


ここ数年で、一気に成長しているのだが、それでもまだまだ子供なので、タックルを止める気はなさそうであった。


それにしても、俺のいつ現れるか分からない転移を直感で見破ってこうして突撃してくる姪は本当に何かの能力を得てるようにしか思えないが……まあ、レグルス兄様の娘だしありえなく無いか。


「ティーさんや。もう少しお手柔らかに願えないだろうか……?」

「善処します!」


にぱぁと、太陽のような笑みを咲かせる我が姪は、本日も大変元気なようであった。


「ところで、ご飯はもう食べた?」

「まだでしゅ!おじちゃまが来そうだから、待ってたのー!」


……本当にこの子の直感力は物凄いものだが、まだなら丁度いいか。


「じゃあ、今日は俺が作るけどいいかな?」

「あい!お願いしましゅ!」


即断即決、この辺は父親の血筋なのだろうか?


俺にはない、レグルス兄様らしき血の痕跡がくっきりと見えるが、どのみち父親であるレグルス兄様もその妻で母親である、俺の義姉さんもハイスペックなので、この子はきっと凄い子になりそうだと何となく感じる今日この頃。


未来を担う若人は大切にしないとね……まあ、俺も一応その枠ではあるけど、立場的には見守る側が望ましいところ。


「そういえば、スワロは?一緒じゃないの?」

「いつも通り本を読んでましゅ!」


ティファニーの双子の姉であるスワロは、年々部屋に篭って本を読む時間が増してるようで、最近は書斎に籠ることも普通になってきているようだが、読み書きも自然と覚えているようで、親の才能を直に受け継いでいるのは喜ばしいところ。


まあ、もう少し外で遊んでもいい気はするが……読書は悪いことではないし、やりたい事は悔いのないようにやるべきという俺も持論があるので、伸び伸び育ってくれれば大丈夫だろう。


レグルス兄様や義姉さんもその辺寛容なので、好きにさせてるしね。


「そっか、スワロもご飯まだなら誘ってきてくれるかな?」

「わかりましゅた!」


びゅーんっと、元気に駆けていく我が姪ティファニー。


こちらは、姉と比べて元気すぎるが……まあ、このくらいお転婆な方が可愛いという気持ちもあったりはする。


無論、スワロも姪として可愛いのだが、ティファニーの方が接してる時間が多い……というか、遊び相手になる時間が長いので、自然と慣れてきたのだろう。


レグルス兄様は将来は俺の嫁に……なんて冗談を言っていたが、俺としてはただ可愛い姪の幸せを願っている所存。


スワロもティファニーもまだまだ子供だが、王族である以上早めに婚約は決めないとなので、その辺は親であるレグルス兄様なら上手いことやってくれるだろう。


さて、ティファニーのことだから、他にも母様とか兄様達、あとは義姉様達かな?


その辺も連れてきそうだし、少し多めに作らないとな。


お米や醤油などの披露もかねて、良さげなメニューをチョイスしておこう。

















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