流れ着いた先は死者が生者を襲う世界だった――ゾンビ×異世界幻想譚、開幕
気付けば、花崎カオルは知らない世界に流れ着いていた。
どうやらこの世界特有のメカニズムはこの三つ。
一つ、召喚士は魔素《マナ》を消費して奇跡を呼び起こすことができる。
一つ、魔素は身体を汚染し、屍人化を促進させる。
一つ、屍人と化した者は他の生者を襲い、襲われた生者は新たな屍人と化す。
屍人が屍人を生み出すその死の連鎖を、この世界は『屍禍《しか》』と呼んだ。
深い森で大屍禍に巻き込まれたカオルは、混乱の最中、膨大な量の樹の魔素を体内へ取り込むことになる。そしてそれは自身が屍人にとって最上の餌になることを意味していた。
生き残るために、カオルは召喚士としての力を磨いていくことになるが――
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
※不定期更新です。週次更新くらいを目指してやっていきます。