第624話 すぽんさー



 昨日のつづき。いまだにブツブツ言っているカヨさんの言を聞いてみますと……。


「第一級資料とされている文献も、当時の戦いの勝者がお金を出して気に入りの家臣に編ませたものゆえ、都合のわるいことは割愛し、自慢したいことは何倍にも誇張して書くのはスポンサーへの礼儀でしょうから、正史なんかであるわけないのに……」


「ましてや小説だよ。なにが起きたのかだけを書くなら教科書に任せておけばよい、その事件や出来事を通して人間がなにを考え、感じ、結果どう行動したのかを書かずして文学とは言えないでしょう。執筆途中のクレームがどれほど筆勢を鈍らせるかを同業者として知悉していながら、いえ、それゆえに……肝っ玉、ちっちゃ!(怒)」


 趣味とはいえど自分も末席にいて恐縮ですが、前職で、モノカキというカタギではない(笑)人たちのトンデモ言動にふりまわされたカヨさんの呟きは止まらず……。


 

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