第184話 にげはじ


 

 

 

 お正月は観るべき番組がないだろうからと、番組表にピンクの表示があるドラマを片っ端から録画しておいたカヨさん。2016年放送の『逃げ恥』なるドラマを初めて観て「へえぇ、こんな内容だったのか」と、遅まきながら感心しきりです。


『逃げるは恥だが役に立つ』という、詩情とほど遠い印象のタイトルの意味もようやく理解でき、大学院まで出ていながら職に恵まれないヒロインが雇われ家政婦になったところから契約結婚に発展するという風変わりな話にびっくり仰天でした。


 とりわけカヨさんの胸に、ずしんと応えたのは「女性がひとりで生きていくのは並大抵なことではない」というフレーズ。混沌の時代を生きていくのは、むろん、男性だって大変でしょうけど、社会的に負の要素が多い女性の苦労ときたら……。


 団塊ジュニア世代がいっせいに泣かされた就職氷河期には、地方出の女子というだけで最初から採用の枠外とされ、なのに、わざわざ面接に呼びつけ、横柄な担当がセクハラ紛いの発言で憂さ晴らし……そんな苦渋を味わった女性、少なくないと思いますが、まさか、コロナ禍の現在も同様なことが行われていたりはすまいね?


 当欄でも先述のように「就職氷河期にも正社員になった若者はいる」などと傲岸不遜、フザケタ戯言を某雑誌の評論に書いたのも、鼻持ちならない男性ですしね。


 男性社会に生きて来たカヨさんの心配、どうか杞憂に終わりますように。m(__)m

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