第168話 せいすい


 

 

 

 つぎの寒波が来る前にと、スニーカーでウォーキングに出かけたカヨさん。🏃


 真紅の薔薇の蕾、畑で艶々した葉を光らせる冬菜、みっしりと巻のいい白菜、「今日はいいお日和ね」「こういう日があるから鳥生も捨てたもんじゃないわね」と言い合っている川の水鳥たちなどに楽しませていた目を、思わず瞠りました。


 気ままな足を踏み入れた小道で、いつもとは別の角度から眺めた古家が、過ぎし日々の羽振りを物語る豪壮な本棟づくりの農家だったことを初めて知ったのです。


 栄枯盛衰を目の当たりにしたような衝撃……。でも、そうでなければすべての人にチャンスは平等に巡って来ないと、平家物語も冒頭で謳っていますものね。(^_^;)




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