第41話 はりすさん





 

 買物ついでに寄った公園をカヨさんが1周して来たら、芝生でボールを転がしている少年少女たちの付き添いらしき、体格、所作ともにいずれ劣らぬ貫禄(笑)のママさんが3人、行く手をさえぎるような場所で威風堂々と立話をしていました。


 そこから少し離れた場所に、小柄なママさんがひとり、ぽつんと立っています。


 気になりながら2周して来ると、4人の構図は先刻と寸分も変わっていません。

 こういうとき余計なお世話をどうしても抑えきれない、かと言って諍いは苦手なカヨさん、薄紫のサングラスを群れの3メンバーに敢えてじっくりと向けました。


 で、再び歩き出し、3周してもどって来てみると……。

 2人と2人に変わっていました! ママさんたちの構図。


 小さくガッツポーズをしたカヨさんは、黙って通り過ぎながら問いかけました。


 4人のうち3人だけで車座になっていたママさんたち。

 あなたも一緒に話そうと、なぜ声をかけられないの?

 事情はどうあれ、傍目にはとても意地悪に見えますよ。


 アメリカ民主党の副大統領候補に決まったハリスさんを評するトランプ大統領の専売特許じゃないんですからね、何とも大人げないけど率直な「意地悪」の言葉。

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