第20話 ひんかく
執筆資料を読むカヨさんの気持ちは、頁が進むほど滅入っていきました。
主人公に寄り添わなければ長編小説執筆のモチベーションが続きません。
心ない記述に遺族が怒っていたという話もこれでは当然と思われました。
無理に鉛を呑み込まされたような気持ちで読み終え、次いで、どうせ傍証に過ぎないと軽んじていた資料に仕方なく取りかかったカヨさんは、冒頭の数頁で早くも日に干しても湿っぽさが抜けきらない古書の著者名を思わず見直しておりました。
――文は人なり。
同じ人物の生涯を扱っていながら、両作品を流れる品格の差はどうでしょう!
アマチュアとはいえ、ものを書く側の最低の礼儀を再認識したカヨさんです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます