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 その次には、博明堂画廊の経営者である窪井博明さんに電話をかけることにした。博明堂画廊は画材などを扱う卸商社であった。社長の窪井さんと社員数人で回している小さな会社で、私が学生のときに通っていた美大の生協にも画材などを卸していたが、ときどき作品の売買も手がけていた。

 私が窪井さんと知り合ったのは、私が野火止美術大学を卒業して市営美術館の学芸員に採用された後だった。作品の入手や修復のことなどでお世話になった。その窪井さんなら、どこでどんな作品が展示されているなどといった情報も知っているだろうと思ったのだ。


(続く)

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