第6話 始まりは突然に6
ダンジョンコア改め『ベル』との初めての邂逅を果たした俺は、再度ベルに問いかける。
「改めてベル、どうしたらいいのかな?」
『はい、まずは私に触れてください、そうすることでダンジョンの設定を行うことが可能です。』
「分かった」
返事が返ってきて、こちらもまた返事を返す、それだけで言い表しようのない嬉しさが込み上げてくる、俺はベルに言われるままにダンジョンコアであるベルに触れた。
『ありがとうございますマスター、これよりダンジョンの設定を行っていきます、尚ダンジョンの設定を行うには私に直接触れる必要がございます、そうしましたらマスターの視界に書かれている通りにまずは初期設定を行って頂きます』
「なるほど、了解した」
返事を返すと、視界内に<ダンジョン初期設定>の文字が浮かんでいる。
『ちなみに、このダンジョンは私が居りますので返事を返して頂ければ私がマスターの為に返事の通りに設定を行いますがよろしいですか?』
「お、おぅ俺は返事を返せばいいんだな?」
『はいマスター、ちなみに私が文章を読み上げる事も可能ですが如何でしょうか?』
「……お願いします」
ベルの有無を言わせぬ迫力に多少たじろいだが、それはそれで俺は楽だなと思い返事を返した。
『ではダンジョンの初期設定を行います、まずはダンジョンの名称を決めて頂きますが、これは特になんでも構いません他との区別をつける為だけのものですし、名称をマスターが外部にもらさない限りはマスターと私だけが知りえる情報になりますので』
「わかった、ではダンジョン名は<怠惰ダンジョン>で頼む」
俺は自分自身のスキルを表す名前を口する。
『はいマスター、これよりこのダンジョンは<怠惰ダンジョン>となりました、それでは続いてダンジョンの構造の設定を行って参ります、このダンジョンの入り口や広さの設定を行っていきます、ちなみに現在の入り口はマスターが通ってきた洞窟、広さは洞窟からこのコアルームになっております』
「この真っ白な部屋はコアルームというのか?」
『はいマスター、便宜上のものですので、呼称は何でも良いかと思いますマスター、例えば真っ白部屋や愛の巣でも構いませんよ』
「コアルームで」
何故か背筋がゾクっとしたが、なんでも良いというのであれば、恐らく正式名称であろうコアルームと呼ぶことにした。
『ハイマスター、チナミニイリグチハドウクツガタデヨロシイデスカ?』
「カタコトやめろ!」
『はいマスター、入り口は洞窟型でよろしいですか?』
「他にはどんなのがあるんだ?」
『他は、入り口を設けず何処からでも入る事が出来るフィールド型、建物の入り口から入る事が可能な建物型です、基本的にはこの3つになりますが、建物型は現状建物がございませんので不可能です、そしてフィールド型はマスターの所有する領土ならば設定出来ますが、どうされますか?』
そこで俺は拠点化の事を思い出す。
「そういえばダンジョンが俺の管理するものになった今ダンジョンも拠点化の範囲に含まれるのか?」
『拠点化というのは、マスターの所有スキル、<怠惰の居城>による拠点化のことですか?』
「あぁ、そうだがベルは俺のスキルについて把握してるのか?」
『はいマスター、スキル<怠惰>加護<娯楽神の加護>マスターの情報はコアの管理権限を得た段階でコアにもマスターの情報が蓄積されております、拠点化については、ダンジョン内部は拠点化出来ないですが、入り口は可能です』
「なるほど、ちなみにフィールド型にした場合はどうなる?」
『フィールド型であれば、全てが入り口扱いの為マスターの所有している領土内ならば、可能ですがコアルームは拠点化出来ません』
俺は考える、フィールド型なら俺の拠点でありダンジョンになる、これはダンジョン管理でどんなことが出来るかにもよるが、チートでは?
「良し、俺の持っている土地をフィールド型のダンジョンにしてくれ」
『はいマスター、ではマスターの領土をフィールド型ダンジョンに設定します……完了です』
「ありがとう」
そして俺は続いて、拠点化を行っていきダンジョン化した俺の土地も無事に拠点化することが出来た。
「良し、これでひとまずの問題は片付いたな、他に設定することは?」
『残りは、侵入者撃退用のコア守護者、及びモンスター、罠の設置、ダンジョン内の改装、ダンジョン階層の増加、コアルームの改造と移動が行えますが現状DPが0Pですので不可能です、お疲れさまでしたマスター』
「まてまて、DPとはなんだ?」
『はいマスター、DPとはダンジョンを管理する上で必要になるエネルギーになりますそして現状このダンジョンにはDPがありませんので、まずはDPの入手が今後の課題になってくるかと』
「では、そのDPの入手方法を教えてくれ」
『はいマスター DP入手方法は
・ダンジョン内に侵入者が存在している間
・ダンジョン内で生命を殺害
・物資、資材等と交換(他ダンジョンのコアも含まれる)以上です』
「なるほど、では侵入者とはなんだ?物資と資材とは具体的にどんなものだ?後はその物資や資材はどうやって回収する?」
『はいマスター、侵入者とはダンジョン内に外部から侵入した全ての生命が対象です、物資や資材とは、物質であれば何でも構いません、回収はダンジョン内で所有権がマスターにあるもの又は所有権が存在しないものであれば、コアに触れながらマスターが選択して回収するか私が回収可能です』
「では、フィールド型ダンジョンの上空範囲は?全ての生命が対象なら動物や虫も範囲内にいればDPが得られるのか?」
『はいマスター、フィールド型ダンジョンの上空範囲は、ダンジョン内の地面から、ダンジョン内にある一番高度のあるものの頂点になりますので、怠惰ダンジョンでは山の頂上に生えている木の頂点から地面までが上空範囲となります、動物や虫も含まれますが、ダンジョン化した瞬間にダンジョン内に居た生命は外部からの侵入では御座いませんので含まれません、そして動物や虫から得られるDPは極僅かな為まだDPに表示されておりません小数点以下は表示されませんので』
「そういうことか……じゃあこのダンジョン内にある、自然を壊さない程度にベルが必要では無いと思うものを全てDPに変換することは可能か?」
『可能ですが、よろしいので?マスターにも行うことは可能ですが?』
「あぁ、問題ないベルに全て任せるよ、怠惰ダンジョンは基本的にベルが管理してくれ俺には向いてないしこういうの」
『はいマスター、了解しました不肖このベルがマスターに変わって怠惰ダンジョンを管理運営していきます、なにか要望や方針があればこちらで判断して管理して行きます』
「そうだな、当面の方針は命大事に、かな?」
『はい!マスター!』
疑問が解決してすっきりした俺は段々と面倒になり、ダンジョンの事はベルに全て任せようと思いベルに丸投げをしたが、何が琴線に触れたのか分からないがベルが力強い言葉で何かを決意したように返事を返したのが分かった。
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