機械仕掛けの滅びの美学

作者 丹寧

機械仕掛けに生涯を捧げた娘の儚い夢

  • ★★★ Excellent!!!

『機械への動力付与』という稀な能力を持った者たちが、身の安全確保という名目で国のために『籠の鳥』として扱われる、もの悲しいシーンから始まり、ぐっと惹きつけられます。

蒸気機関という革命から、傾国の予感に焦る王。
能力を持って生まれてしまったが故に閉じ込められ、ただ黙々と膨大な務めを果たす琥珀姫。
権力を維持したい王に翻弄される国民達。

時計が止まるカラクリと結末のやるせなさの関係が秀逸です。
王に歯車として扱われながらも、最期まで『人』として生きた娘の人生は、まさしく『滅びの美学』と冠するに相応しい物語でした。

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★★★ Excellent!!!

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